「先延ばしは悪いこと」と考えられがちですが、本当にデメリットしかないのでしょうか。
すぐに取りかからず、少し時間を置いたことで、
「別のアイデアを思いついた」
「考えがまとまった」
という経験がある人もいるかもしれません。
実際に、適度に作業を遅らせることと創造性の関係を示した研究もあります。
ただし、
やるべきことを避け続ける先延ばし
と、
意図的に時間を置いて考えること
は分けて考えたほうがよさそうです。
この記事では、先延ばしのメリットとデメリットを整理し、どのような「後回し」なら活用できるのかを考えます。
先延ばしのメリット・デメリット
まず、大きく整理すると次のようになります。
| 内容 | |
|---|---|
| メリットになり得ること | 考える時間ができる、アイデアを寝かせられる、優先度を見直せる |
| デメリット | 締め切りが近づく、作業時間が減る、焦りや後悔につながる、ほかの予定にも影響する |
重要なのは、
後回しにしたこと自体
だけで判断しないことです。
その時間をどう使い、いつ作業へ戻るのかによって意味が変わります。
メリット1:考える時間を置ける
文章を書く、企画を考える、アイデアを出すといった作業では、すぐに完成させず時間を置くことがあります。
一度作業から離れたあと、
「こうしたほうがいいかもしれない」
と思いつくこともあります。
先延ばしと創造性について調べた研究では、先延ばしが少なすぎる場合や多すぎる場合より、適度な場合に創造性が高くなる関係が報告されています。
ただし、これは、
先延ばしすればアイデアが良くなる
という意味ではありません。
研究でも、先延ばしが多くなればなるほど創造性が高くなったわけではなく、仕事の効率については低下する傾向が示されています。
そのため、
考えるために少し時間を置く
ことと、
作業から逃げ続ける
ことは分けて考える必要があります。
メリット2:優先順位を見直せる
予定していた作業をすぐに始めなかったことで、
今、本当にこれをやる必要があるのか
と考え直せる場合もあります。
例えば、今日やる予定だった作業より、急ぎの仕事が入ることがあります。
その場合、最初の作業を後回しにすること自体は問題ではありません。
これは単なる先延ばしというより、
優先順位を変更した
と考えられます。
何かを後回しにしたときは、
「面倒だから避けたのか」
「ほかに優先することがあったのか」
を確認してみましょう。
メリット3:一度離れることで見直せる
文章や資料を作った直後は、自分では問題に気づきにくいことがあります。
一度時間を置いてから見ると、
ここは分かりにくい
この部分はいらない
と気づく場合があります。
この場合も、
締め切りまで何もしない
のではありません。
一度着手したあと、時間を置いて見直しています。
「始めるのを先延ばしする」のではなく、
一度始めてから寝かせる
という使い方です。
デメリット1:使える時間が減る
先延ばしの分かりやすいデメリットは、作業に使える時間が減ることです。
月曜日に始められた仕事を金曜日まで先延ばしすれば、その分だけ余裕がなくなります。
予定より時間がかかった場合も、
明日続きをやる
という選択肢を取りにくくなります。
締め切りがある作業ほど、先延ばしの影響は大きくなります。
デメリット2:焦って作業することになる
締め切り直前まで先延ばしすると、
あと1時間で終わらせないといけない
という状態になることがあります。
短時間で集中できる場合もありますが、毎回うまくいくとは限りません。
予定外の作業が入ったり、思ったより時間がかかったりすると、さらに余裕がなくなります。
「締め切り直前のほうが集中できる」と感じる場合でも、
時間が足りなくなるリスク
は残ります。
デメリット3:先延ばししている間も気になる
作業をしていなくても、
あれをやらないといけない
と頭の片隅に残ることがあります。
SNSを見ていても、ゲームをしていても、完全には忘れられないことがあります。
そして夜になって、
今日もやらなかった
と後悔する場合もあります。
後回しにしたことで自由時間が増えたように見えても、その時間を気持ちよく使えているとは限りません。
「意図的に待つ」と「先延ばし」を分ける
すべての「後回し」を同じものとして考える必要はありません。
例えば、
明日の朝もう一度読んでから提出する
と決めて作業を止める場合があります。
一方、
やりたくないから、とりあえず動画を見る
という場合もあります。
違いの一つは、
いつ再開するか決まっているか
です。
意図的に時間を置くなら、
「明日の9時に見直す」
「昼休みが終わったら再開する」
など、戻るタイミングを決められます。
ただ避けている場合は、
あとでやる
だけになりやすくなります。
先延ばしの成功体験には注意する
締め切り直前に始めたのに、うまく終わった経験があるかもしれません。
すると、
自分は追い込まれたほうができる
と思うことがあります。
しかし、一度うまくいったからといって、次も同じように進むとは限りません。
作業量が多かったり、予定外の問題が起きたりすれば、時間が足りなくなる可能性があります。
「前回なんとかなった」だけでなく、
余裕を持って始めた場合と比べてどうだったか
も考えてみましょう。
先延ばしをすべてなくす必要はない
予定していたことを後回しにすること自体を、すべて悪いものと考える必要はありません。
優先順位が変わったなら予定を変更して構いません。
考える時間が必要なら、一度作業から離れることもできます。
ただし、
面倒だから始めない
↓
いつ再開するか決めない
↓
締め切り直前まで何もしない
となっている場合は、先延ばしによるデメリットが大きくなります。
その場合は、作業を完成させることではなく、
少しだけ着手する
ところから始める方法があります。
Pomolikaで「少し始めてから置く」
Pomolikaはブラウザで使えるポモドーロタイマーです。
アイデアを考える仕事などで時間を置きたい場合でも、何も始めないまま後回しにするのではなく、
まず少し作業する
↓
一度離れる
↓
あとで戻る
という方法があります。
例えば、企画書なら最初に考えていることを書き出してから時間を置きます。
文章なら、見出しだけ作ってから一度離れることもできます。
Pomolikaで作業時間を区切れば、
とりあえずこの時間だけ始める
という使い方ができます。
まとめ
先延ばしには、単純にメリットがある、デメリットしかない、と言い切れない面があります。
考える時間を置いたり、優先順位を変更したりすることが役立つ場合があります。
一方で、やるべき作業を避け続けると、
- 作業時間が減る
- 締め切り直前に焦る
- 予定外の問題に対応しにくくなる
- 先延ばししている間も作業が気になる
- 終わらなかったときに後悔する
といったデメリットがあります。
大切なのは、
後回しにしたかどうか
だけではありません。
「なぜ後回しにしたのか」「いつ戻るのか」を確認してみましょう。
考えるために時間を置くなら、戻る時間を決める。
ただ始めるのを避けているなら、作業を小さくして少しだけ着手する。
同じ「後回し」でも、その使い方を分けて考えてみましょう。
参考文献
- Shin, J., & Grant, A. M. (2021). When Putting Work Off Pays Off: The Curvilinear Relationship between Procrastination and Creativity. Academy of Management Journal, 64(3), 772–798.