「上司の確認待ちで仕事が進まない」
「判断をお願いしているのに、ずっと返事がない」
「締め切り直前になってようやくレビューされる」
仕事では、自分が先延ばしするだけでなく、
上司の先延ばしによって仕事が止まる
こともあります。
承認。
レビュー。
方針決定。
顧客への回答。
優先順位の判断。
こうした仕事は、部下だけでは決められないことがあります。
そのため上司が先延ばしすると、
自分は作業を進めたいのに進められない。
そして締め切りが近づくほど、
なぜか実際に作業する側だけが忙しくなる
ということもあります。
では、先延ばしする上司にはどう対応すればいいのでしょうか。
この記事では、上司が判断や確認を先延ばしするときに仕事を止めにくくする方法を紹介します。
上司の先延ばしで困るのは「自分では完結できない」から
自分の仕事なら、
今日やる。
明日やる。
とある程度は自分で決められます。
しかし、
上司の承認が必要。
上司が仕様を決める必要がある。
上司のレビュー後に修正する必要がある。
という仕事では、
相手が動かない限り次へ進めません。
例えば、
月曜日にレビュー依頼。
↓
上司から返信なし。
↓
水曜日も返信なし。
↓
木曜日にレビュー。
↓
大量の修正。
↓
金曜日が締め切り。
という流れです。
部下からすると、
月曜日から依頼していたのに、
最後だけ急に忙しくなる
ことになります。
上司が先延ばしする理由は一つではない
上司の返信が遅いと、
「面倒だから後回しにしている」
と思うかもしれません。
実際にそういう場合もあります。
しかし、ほかにも、
単純にタスクが多い。
判断材料が足りない。
重要度が分からない。
考える必要があるので後回しになる。
失敗する判断をしたくない。
依頼そのものを忘れている。
ほかの仕事の優先度が高い。
といった可能性があります。
先延ばし研究でも、
課題への嫌悪感や自己効力感、締め切りまでの時間など、複数の要因との関連
が知られています。
そのため、
「この上司はだらしない」
だけで考えるより、
何が回答を遅らせているのか
を見たほうが対策を考えやすくなります。
「確認お願いします」だけでは先延ばしされやすいことがある
例えば、
上司へ、
「資料を作成しました。確認お願いします」
と送ったとします。
一見、普通の依頼です。
しかし上司からすると、
何を確認するのか。
どのくらい時間がかかるのか。
いつまでなのか。
何を回答すれば終わりなのか。
が分かりません。
忙しいときほど、
内容を理解する必要がある依頼は後回しにされやすくなります。
そこで、依頼する時点で具体化します。
「何を・いつまでに・なぜ」をセットにする
例えば、
「資料を確認お願いします」
ではなく、
「金曜日に顧客へ提出するため、木曜日12時までに金額の部分だけ確認をお願いします」
とします。
これなら、
何を:
金額。
いつまでに:
木曜日12時。
なぜ:
金曜日に顧客提出。
が分かります。
上司に大量の仕事がある場合でも、
その依頼の優先度を判断しやすくなります。
上司に判断してほしいことを一つに絞る
さらに、
資料を丸ごと送って、
「どうしましょう?」
と聞くと、
上司側で考えることが増えます。
例えば、
A案とB案があるなら、
「A案とB案があります。私はA案がよいと考えています。○○の理由からです。A案で進めてよいでしょうか」
とします。
これなら上司は、
Aでよい。
Bにする。
別案にする。
という判断ができます。
質問を小さくすると、回答に必要な負担も小さくなります。
「どうしますか?」より選択肢を出す
例えば、
「この不具合どうしますか?」
だけでは、
上司がゼロから考える必要があります。
そこで、
「対応方法は次の2案を考えています。
A:今週修正する。リリースには間に合うが、別作業が1日遅れる。
B:次回対応にする。今回のリリースには影響しないが、一時的に運用対応が必要。
私はA案を推します。
本日15時までに方向性をいただけると助かります」
とします。
上司に丸投げするのではなく、
判断できる材料をセットで渡します。
上司が先延ばしするなら「締め切り」ではなく「判断期限」を伝える
仕事全体の締め切りが金曜日でも、
上司の回答が金曜日でよいとは限りません。
例えば、
金曜日17時:顧客提出。
木曜日:修正。
水曜日:上司レビュー。
という工程なら、
上司の判断期限は、
水曜日
です。
つまり伝えるべきなのは、
「金曜日が締め切りです」
だけではありません。
「水曜日までに確認いただかないと、木曜日の修正時間が取れません」
ということです。
これによって、
上司の回答が遅れたときに何が起きるのかまで共有できます。
催促するときは「まだですか?」だけにしない
返事が来ないと、
「確認まだでしょうか?」
と送りたくなります。
もちろん、それでも構いません。
ただ、
何度も催促する必要があるなら、
期限と影響をもう一度伝えます。
例えば、
「こちら、本日15時までに方向性をいただけると、予定どおり明日の作業へ進めます。難しい場合はスケジュールを調整したいので、お知らせください」
という形です。
重要なのは、
催促そのものではなく、回答が必要な理由を共有すること
です。
「忙しいと思うので」は必ずしも必要ではない
上司へ催促するとき、
必要以上に遠慮して、
「お忙しいところ大変恐縮ですが、もしお時間ございましたら……」
と長くすることがあります。
もちろん丁寧さは大切です。
しかし仕事上必要な確認なら、
必要なことを分かりやすく伝えるほうが相手にも親切
です。
例えば、
「昨日お願いした○○の確認です。今日17時から実装へ進むため、16時までにA/Bどちらで進めるかご判断いただけると助かります」
なら、
何を回答すればよいか分かります。
上司が忘れるならリマインド前提の仕組みにする
先延ばしだけでなく、
単純に依頼が埋もれていることもあります。
特に、
チャット。
メール。
口頭。
会議。
から大量の依頼が来る人は、
一度聞いただけでは忘れる可能性があります。
その場合、
「一度言ったから覚えているはず」
に依存しない方法があります。
例えば、
チケットへ登録する。
共有タスクへ入れる。
チャットのリマインダーを使う。
会議のアジェンダへ残す。
期限付きで依頼する。
といった方法です。
記憶ではなく仕組みで管理する
という考え方です。
口頭で頼んだ重要事項は文字に残す
例えば会議中に、
「この件は部長に確認しておくよ」
と言われたとします。
数日後、
「そんな話だったっけ?」
となると困ります。
そこで会議後に、
「本日の認識です。○○については△△さんに確認いただき、水曜日までに回答予定」
と残します。
これは、
相手を信用していないからではありません。
担当と期限を共通認識にするため
です。
仕事では記録があることで、
自分自身も何を待っているのか分かりやすくなります。
上司の先延ばしを自分の責任にしないために記録する
上司の判断待ちで仕事が遅れたとき、
後から、
「なんで間に合わなかったの?」
と言われることもあります。
そこで重要なのが、
いつ依頼したかを残すこと
です。
例えば、
4月1日:レビュー依頼。
4月3日:リマインド。
4月4日:回答。
4月5日:修正。
という流れを記録します。
これは責任逃れのためではありません。
どこで時間がかかったのかを明確にすることで、
次回のスケジュール改善につなげられます。
待っている間にできることを分ける
上司の回答が来ないと、
「もう何もできない」
と思うことがあります。
しかし実際には、
回答が必要な部分。
回答がなくても進められる部分。
に分けられることがあります。
例えば、
仕様Aは上司判断待ち。
でも、
共通処理。
テストデータ準備。
資料の骨組み。
別機能。
は進められる。
という状態です。
そこで、
ブロックされている範囲だけを切り出します。
これによって、
上司の回答待ち時間を丸ごと失わずに済みます。
「回答待ちタスク」を見えるようにする
仕事を管理するとき、
自分がやるタスクだけでなく、
他人の回答待ち
も分けて管理すると便利です。
例えば、
進行中。
回答待ち。
完了。
という状態を作ります。
上司へ依頼したら、
回答待ちへ移動。
そこに、
依頼日。
回答期限。
を書いておきます。
すると、
「何を待っていたっけ?」
を頭の中で覚え続ける必要がありません。
毎回ギリギリになるなら依頼タイミングを早める
上司が、
レビュー依頼から平均2日くらいかかる。
と分かっているなら、
締め切り前日に依頼するのは危険です。
例えば、
金曜日提出。
上司レビューに2日。
修正に1日。
必要なら、
火曜日までにレビュー依頼。
という逆算になります。
本来すぐ確認してほしいと思っても、
相手の実際の行動パターンを前提にスケジュールを組む
ほうが現実的なこともあります。
上司が先延ばしするからといって全部先回りすると疲れる
ただし、
上司が遅いから、
全部こちらで判断する。
毎日リマインドする。
上司のスケジュールまで管理する。
となると、
今度は自分の負担が増えます。
上司の仕事まで肩代わりするのではなく、
自分ができるのは、
依頼を具体化する。
期限を伝える。
必要なタイミングで催促する。
記録する。
進められる範囲を進める。
ところまでです。
最終的な判断そのものまで自分が背負う必要はありません。
判断が遅い上司には定例でまとめて確認する方法もある
細かい確認が何度も発生する仕事なら、
そのたびにチャットを送るより、
確認時間を固定する
方法もあります。
例えば、
毎週火曜と木曜の16時に、
15分だけ確認時間を取る。
そこで、
判断待ち一覧を上から確認する。
とします。
上司側も、
いつ確認すればよいか分かります。
部下側も、
返事が来るか分からない状態で毎日待つ必要が減ります。
特に、
継続的に一緒に仕事をする相手には有効な方法です。
「急ぎです」を多用しない
上司の返事が遅いと、
すべての依頼へ、
「急ぎです」
と付けたくなるかもしれません。
しかし、
全部が急ぎになると、
本当に急ぎのものが分からなくなります。
例えば、
今日中。
今週中。
来週まで。
のように期限を明示します。
緊急なら、
「本日15時までに回答がない場合、明日のリリースへ影響します」
と具体的な影響まで書きます。
優先度は、
言葉の強さではなく、
期限と影響
で伝えるほうが分かりやすくなります。
上司の先延ばしで締め切りに間に合わないとき
すでに上司の回答待ちで、
締め切りが危ない。
という場合は、
黙って待ち続けないことが重要です。
まず、
現在どこまで終わっているか。
何を待っているか。
いつまでに回答が必要か。
回答がなければ何が遅れるか。
を整理します。
そのうえで、
上司本人。
必要であれば関係者。
へ共有します。
例えば、
「現在、○○の判断待ちです。本日中に方向性が決まれば金曜日の提出に間に合います。明日以降になる場合は提出日の調整が必要です」
という形です。
先延ばしで締め切りに間に合わなくなる状況については、先延ばしで締め切りに間に合わないのはなぜ?でも紹介しています。
上司の判断を待たずに進める条件を決める方法もある
仕事によっては、
毎回上司の許可を待つ必要がないものもあります。
例えば、
10万円未満なら担当者判断。
既存仕様の範囲ならそのまま対応。
顧客影響がなければチーム内で判断。
というルールです。
もし細かい判断待ちが大量に発生しているなら、
上司と、
どこまで自分で決めてよいか
を決める方法もあります。
これによって、
上司の先延ばしだけでなく、
確認そのものを減らせます。
上司を「先延ばししない人」に変える必要はない
上司の行動そのものを変えようとすると、
難しいことがあります。
本人に自覚がない。
仕事量が多すぎる。
もともと判断に時間をかけるタイプ。
という場合もあります。
そこで、
「どうすれば上司をすぐ動かせるか」
だけで考えるのではなく、
上司が遅くても仕事が止まりにくい形を作れないか
を考えます。
例えば、
期限を明確にする。
判断事項を小さくする。
選択肢を提示する。
回答待ちを見える化する。
定例でまとめて確認する。
判断権限を決める。
などです。
相手の性格ではなく、
仕事の流れを変える
という考え方です。
自分の仕事まで先延ばししないようにする
上司の回答待ちがあると、
「どうせ返事が来ないから」
と、自分のほかの仕事まで止まりやすくなることがあります。
そんなときは、
今できる作業を一つ選びます。
Pomolikaはブラウザで使えるポモドーロタイマーです。
例えば、
上司のレビュー待ち。
↓
その間にテストケースを10分だけ整理する。
という使い方ができます。
回答待ちの仕事は自分では動かせません。
でも、
今動かせる仕事まで止める必要はありません。
作業を小さくして、
10分だけタイマーを設定する。
そして、
今できる部分だけ進めます。
まとめ
先延ばしする上司がいると、
判断。
承認。
レビュー。
返信。
が遅れ、
部下の仕事まで止まることがあります。
そんなときは、
ただ、
「早く確認してください」
と催促するだけではなく、
何を判断してほしいのか。
いつまでに必要なのか。
回答が遅れると何に影響するのか。
を具体的にします。
さらに、
選択肢を提示する。
依頼を小さくする。
判断期限を設定する。
回答待ちを見える化する。
重要なやり取りを記録する。
待っている間にできる仕事を分ける。
といった方法も使えます。
そして、
上司を先延ばししない人へ変えることだけを目標にしないこと。
上司の回答が多少遅くても、
仕事全体が止まりにくい進め方を作るほうが現実的です。
自分で変えられない相手の行動を待ち続けるのではなく、
自分がコントロールできる依頼方法・期限・仕事の流れを整える。
それが、先延ばしする上司に振り回されにくくする方法です。