「やらなければいけない仕事なのに、なぜか後回しにしてしまう」
「簡単な仕事はできるのに、大事な仕事ほど先延ばししてしまう」
仕事では、重要なタスクから順番に取り組めるとは限りません。
例えば、
重要な資料を作らなければいけないのにメールを確認する。
難しい調査を始める前に、簡単な作業を片付ける。
締め切りまで時間がある仕事を「明日やろう」と後回しにする。
こうした先延ばしが起こることがあります。
だからといって、
仕事を先延ばしする=仕事へのやる気がない
とは限りません。
むしろ、大事な仕事だからこそ、
難しい、失敗したくない、どこから始めればいいか分からない
といった負担が大きくなり、始めにくくなることもあります。
この記事では、仕事を先延ばししてしまう原因を整理しながら、実際に仕事を始めるための対策を紹介します。
仕事を先延ばししてしまうのはなぜ?
仕事の先延ばしには、さまざまな理由があります。
例えば、
- 作業が大きすぎる
- 何から始めればいいか分からない
- 難しくて自信がない
- 失敗や評価が怖い
- 締め切りが遠い
- 単純に面倒
- ほかの仕事のほうが簡単
- メールやチャットが気になる
- 疲れていて集中できない
などです。
「先延ばしをやめよう」と考える前に、
なぜこの仕事を始められないのか
を確認すると、対策を考えやすくなります。
大事なことほど先延ばししてしまうことがある
仕事では、
重要ではない仕事はできるのに、大事な仕事が進まない
ということがあります。
一見すると不思議です。
重要なら、先にやったほうがよさそうです。
しかし、大事な仕事ほど、
失敗したくない。
間違えたくない。
ちゃんと作りたい。
評価される。
責任がある。
と感じることがあります。
すると、
重要度と一緒に心理的な負担も大きくなる
ことがあります。
例えば、
「来月の重要なプレゼン資料を作る」
という仕事と、
「メールを1通返信する」
という仕事があったとします。
重要なのはプレゼン資料です。
しかし、すぐ終わるのはメールです。
すると、
とりあえずメールから
と簡単な仕事を選びやすくなります。
「仕事をしている」から先延ばしに気づきにくい
仕事の先延ばしで厄介なのは、
別の仕事をしていても先延ばしになる
ことです。
例えば、
本当は企画書を作る必要があるのに、
メールを整理する。
チャットへ返信する。
資料のフォルダを整理する。
予定を確認する。
別の簡単なタスクを片付ける。
これらも仕事なので、
自分はちゃんと働いている
という感覚があります。
もちろん、本当に必要な作業なら問題ありません。
しかし、
大事な仕事を避けるために簡単な仕事を選んでいないか
は確認してみる価値があります。
忙しかったのに重要な仕事がほとんど進んでいないなら、その可能性があります。
タスクが大きすぎると始めにくい
例えば、
提案資料を作る
というタスクがあります。
これだけでは、最初に何をすればいいのか分かりません。
実際には、
資料の目的を確認する。
必要な情報を集める。
構成を決める。
見出しを書く。
図を作る。
文章を書く。
レビューする。
といった複数の作業があります。
それを、
提案資料を作る
という一つのタスクとして考えると、大きく感じます。
そこで、
次にできる行動
まで小さくします。
例えば、
提案資料の見出しを3つ作る
なら、何をすればいいか分かります。
仕事を小さくする目的は、
仕事量を減らすことではなく、開始地点を明確にすること
です。
最初の一歩を具体的にする
先延ばししている仕事があったら、
次に何をすればいい?
と考えてみましょう。
例えば、
| 大きな仕事 | 最初の一歩 |
|---|---|
| 企画書を作る | 新しいファイルを作って見出しを書く |
| 見積もりをする | 対象となる作業を一覧にする |
| 調査する | 調べる項目を3つ書く |
| メールを書く | 宛先と件名だけ入力する |
| 勉強する | テキストを開いて1ページ読む |
| 会議の準備をする | 議題を箇条書きにする |
ポイントは、
「頑張ればできる大きさ」ではなく、「すぐ始められる大きさ」
にすることです。
「企画書を半分作る」でもまだ大きいなら、
「ファイルを開く」
「タイトルを書く」
まで小さくしても構いません。
完璧にやろうとして先延ばしする
大事な仕事ほど、
ちゃんとやらなければ
と考えることがあります。
すると、
最初から正しいものを作ろうとする。
↓
どう書けばいいか迷う。
↓
始められない。
という状態になることがあります。
特に、
上司へ提出する資料。
顧客へ見せる資料。
重要なメール。
評価につながる仕事。
などでは起こりやすくなります。
その場合は、
完成版を作る
のではなく、
下書きを作る
と考えてみましょう。
例えば、
「企画書を完成させる」
ではなく、
雑でもいいので構成だけ作る。
「正しいメールを書く」
ではなく、
まず伝えたいことを箇条書きにする。
最初から完成度を求めず、
あとで直せる状態を作る
ところから始めます。
完璧主義と先延ばしについては、完璧主義だと先延ばししやすい?原因と対策を考えるも参考にしてください。
失敗や評価が怖くて始められない
仕事では、
自分以外の人から評価される
という特徴があります。
資料を提出すればレビューされる。
提案すれば意見を言われる。
メールを送れば返事が来る。
仕事によっては、
行動すること自体が評価を受けるきっかけ
になります。
すると、
「間違っていたらどうしよう」
「指摘されたくない」
「うまくできる自信がない」
という不安から、始めることを避ける場合があります。
このとき、
仕事を全部終わらせる
まで考える必要はありません。
まず、
何が不安なのか。
どこまでならできそうか。
誰かに確認したほうがいいことはあるか。
を整理します。
不安が曖昧なままだと仕事全体が怖く感じます。
何が不安なのかを具体的にする
ことで、次の行動を考えやすくなります。
不安と先延ばしについては、不安や恐怖で先延ばししてしまう?怖くて始められないときの対策でも紹介しています。
締め切りが遠いと「今日じゃなくてもいい」と感じる
締め切りまで1か月ある仕事なら、
今日やらなくても間に合う
と考えられます。
実際、今日やらなくても問題ないかもしれません。
しかし、
明日も「まだ時間がある」。
来週も「まだ大丈夫」。
となれば、締め切りが近づいてきます。
先延ばし研究では、
結果が得られるまでの時間
も重要な要素として研究されています。
遠い締め切りだけを見るのではなく、
今日すること
を決めてみましょう。
例えば、
「30日後までに資料を完成させる」
だけではなく、
今日は構成を作る。
明日は必要なデータを集める。
とします。
未来の締め切りを、
今日できる行動
へ変えます。
先延ばしと時間については、先延ばしを説明する理論・法則とは?でも紹介しています。
「優先順位を決める」だけでは足りないこともある
仕事の先延ばし対策として、
優先順位を決める
ことがあります。
もちろん、何が重要なのか整理することは役立ちます。
ただ、
重要だと分かっているのに始められない
場合には、それだけでは解決しないことがあります。
例えば、
- 重要な企画書
- メール返信
- ファイル整理
と優先順位を決めたとします。
それでも企画書を避けてメールを始めるなら、
問題は、
何が重要か分からないこと
ではありません。
企画書が、
大きすぎる。
難しい。
不安。
面倒。
何から始めればいいか分からない。
など、別の理由がある可能性があります。
その場合は、
優先順位
ではなく、
始められない理由
へ対策します。
仕事を10分だけやってみる
大事な仕事ほど、
最後までやること
を考えると重く感じます。
そこで、
10分だけやる
と決める方法があります。
例えば、
10分だけ資料の構成を考える。
10分だけ調査する。
10分だけコードを読む。
10分だけ文章を書く。
とします。
10分で仕事を終わらせる必要はありません。
目的は、
完成させることではなく、開始すること
です。
始めてみて続けられそうなら、そのまま続けても構いません。
疲れていたり集中できなかったりするなら、10分で一度区切ります。
時間と作業内容をセットで決める
「10分仕事する」だけでは、
何をするか
がまだ曖昧です。
そこで、
時間 + 作業
まで決めます。
例えば、
10分で企画書の見出しを作る。
15分で調査対象を一覧にする。
10分でメールの下書きを作る。
とします。
これならタイマーを開始したあと、
何をすればいい?
と迷いにくくなります。
仕事を始める前に、
次の10分で何をするか
を一つ決めてみましょう。
メールやチャットを「逃げ場所」にしない
仕事中は、誘惑がスマホだけとは限りません。
メール。
SlackやTeamsなどのチャット。
ニュース。
社内ポータル。
別の仕事。
などもあります。
これらはすべて、
仕事っぽく見える
という特徴があります。
重要な作業を始めようとして、
「その前にメールだけ確認しよう」
となったら、一度確認してみましょう。
本当に今確認する必要がある?
緊急の連絡を確認する必要がある仕事なら、無理に閉じる必要はありません。
一方、
難しい仕事から離れるために開いている
なら、作業中だけ閉じる方法があります。
先延ばしした仕事をさらに避けない
仕事を一度先延ばしすると、
「昨日もできなかった」
「また先延ばしした」
と気になることがあります。
すると今度は、
先延ばししたことへの嫌な気持ち
まで加わります。
仕事そのもの。
+
先延ばしした罪悪感。
となり、さらに始めにくくなる場合があります。
そこで、
昨日できなかったこと
と、
今から何をするか
を分けます。
昨日始められなかったとしても、
今日必要なのは、
今からできる最初の一歩
です。
先延ばしによる罪悪感については、先延ばしすると罪悪感・自己嫌悪が強くなる?でも紹介しています。
仕事を先延ばししたときの確認リスト
先延ばしに気づいたら、次の順番で確認してみましょう。
- 今、本当にやるべき仕事は何か
- なぜ始めたくないのか
- 作業が大きすぎないか
- 最初にすることは具体的か
- 10分でできるところまで小さくできるか
- 邪魔になるものを一時的に減らせるか
例えば、
企画書を先延ばししている
なら、
「難しくて構成が決まらない」
↓
「完成させようとしている」
↓
「まず見出しだけ作る」
↓
「10分だけやる」
という形です。
「先延ばししない人になろう」とするより、
今回の仕事を始める条件を整える
ほうが具体的です。
大事な仕事は「完成」ではなく「開始」を予定する
大事な仕事ほど、
金曜日までに完成
のように締め切りだけを予定しがちです。
そこに、
いつ始めるか
も加えてみましょう。
例えば、
火曜日の9時から15分、構成を考える
とします。
仕事が終わる日時だけではなく、
仕事が始まる日時
も決めるわけです。
さらに、
「企画書をやる」
ではなく、
企画書の見出しを作る
まで具体的にすると始めやすくなります。
Pomolikaで仕事を始める時間を区切る
Pomolikaはブラウザで使えるポモドーロタイマーです。
仕事を先延ばししているときは、
全部終わらせなければ
と考えず、最初の作業だけ決めてみましょう。
例えば、
先延ばししている仕事を一つ選ぶ
↓
最初の行動を一つ決める
↓
Pomolikaを10分に設定する
↓
その作業だけ始める
という流れです。
企画書なら、
10分で見出しを作る。
調査なら、
10分で調べる項目を整理する。
メールなら、
10分で下書きを作る。
タイマーを使えば、仕事への不安や面倒さそのものがなくなるわけではありません。
Pomolikaでできるのは、
「仕事を終わらせる」から「今から10分だけ始める」へ変えること
です。
まとめ
仕事を先延ばしする理由は一つではありません。
例えば、
- 作業が大きすぎる
- 最初の行動が分からない
- 難しくて自信がない
- 失敗や評価が不安
- 完璧にやろうとしている
- 締め切りが遠い
- 簡単な仕事へ逃げている
- 疲れている
などがあります。
特に仕事では、
重要な仕事ほど心理的な負担も大きくなり、後回しになる
ことがあります。
その場合、
「もっと優先順位を意識しよう」
だけでは解決しないことがあります。
まず、
なぜこの仕事を始めにくいのか
を確認してみましょう。
そして、
仕事を小さくする。
最初の行動を決める。
完成ではなく開始を予定する。
10分だけ時間を区切る。
といった方法を試します。
大事な仕事を前にしたときほど、
全部やろうとせず、次にする一つを決める。
そこから仕事を始めてみましょう。