「上司に言われたことが頭から離れず、仕事に集中できない」
「また怒られるのではと思うと、目の前の仕事が手につかない」
職場で強い言葉をかけられたり、繰り返し嫌な扱いを受けたりすると、
仕事を始める
↓
さっき言われたことを思い出す
↓
また何か言われるかもしれないと考える
↓
目の前の仕事が分からなくなる
ということがあります。
その状態で、
仕事なんだから集中しないと
と自分だけで何とかしようとしても難しい場合があります。
パワハラのような言動が背景にあるなら、
集中力だけの問題
として扱わないことも大切です。
この記事では、パワハラが気になって仕事に集中できないときの対処法を紹介します。
パワハラが気になると仕事に集中できないことがある
職場で、
強く叱責された
人格を否定するようなことを言われた
人前で繰り返し怒鳴られた
などの出来事があると、その後も気になることがあります。
仕事中にも、
また言われるかもしれない
次にミスしたらどうなるだろう
と考えてしまう場合があります。
その状態なら、仕事そのものだけへ意識を向けるのが難しくなることもあるでしょう。
まず「集中できない自分」だけを問題にしない
パワハラのような言動を受けている状況で、
自分の集中力が低いから仕事ができない
と考える必要はありません。
厚生労働省も、職場のハラスメントは働く人が能力を十分に発揮することを妨げる問題として扱っています。
まず、
何が起きているのか
を整理してみましょう。
パワハラかどうか自分だけで決めなくてもいい
「これはパワハラなのかな」
と迷うことがあります。
自分だけで法律上の判断を確定する必要はありません。
まず、
何を言われたか
何をされたか
どのくらい続いているか
を具体的にします。
そのうえで、社内の相談窓口や外部の相談先へ相談することができます。
起きたことを具体的に書く
例えば、
月曜日の10時ごろ
会議室で
上司から○○と言われた
というように書きます。
「嫌だった」だけでなく、実際に起きたことを残します。
日時を記録する
厚生労働省の「あかるい職場応援団」でも、ハラスメントだと感じた出来事について、
いつ起きたか
を記録することが案内されています。
例えば、
4月3日 15時ごろ
と残します。
あとから出来事を整理しやすくなります。
場所を記録する
会議室。
自席。
オンライン会議。
など、
どこで起きたか
も残します。
同じようなことが繰り返されている場合にも整理しやすくなります。
言われたことを残す
できる範囲で、
どんなことを言われたか
を具体的に残します。
時間が経つと、
何て言われたんだっけ
となる場合があります。
記憶があるうちに簡潔に記録します。
誰から言われたかを書く
上司。
先輩。
同僚。
など、
誰からの言動だったか
を残します。
部署や役職なども分かる範囲で記録できます。
周囲に誰がいたかを書く
その場に、
同僚
別の上司
などがいた場合があります。
厚生労働省「あかるい職場応援団」でも、いつ、どこで、誰が、何を、どのように行ったかを記録することが案内されています。
記録は感情だけでなく事実も残す
例えば、
上司が最悪だった
だけではなく、
会議中、他の5人がいる前で○○と言われた
とします。
自分の気持ちを書いても構いませんが、事実と分けておくと整理しやすくなります。
仕事中に何度も出来事を思い出す場合
嫌な言葉を何度も思い返して、
仕事へ戻れない
ことがあります。
そんなときは、
あとで記録する
ではなく、一度簡単に書いてしまう方法があります。
例えば、
15時:○○と言われた。帰宅後整理する
程度です。
頭の中で覚え続けないようにします。
記録したら今の仕事へ一度戻る
記録を始めると、
前にもあった
あのときもそうだった
と次々思い出す場合があります。
勤務中にすぐ対応する必要がなければ、
あとで整理
として一度止めます。
今する仕事を一つ決めます。
まず10分だけ仕事へ戻る
強い不安はないものの、言われたことが気になって仕事が進まない場合があります。
そのときは、
10分だけ
一つの仕事をしてみましょう。
例えば、
メールを一通返す
です。
10分終わったら状態を確認します。
作業を一つに絞る
嫌な出来事を考えながら、
資料
メール
チャット
を同時に進めると、さらに集中しづらくなる場合があります。
まず、
今は資料だけ
と一つにします。
簡単な仕事へ変える
頭が働きにくい場合は、
重要な判断
より、
整理
定型的な確認
などへ一時的に変える方法があります。
自分で仕事内容を調整できない場合は、上司などへ相談します。
ミスが増えていないか確認する
パワハラのような言動を気にして、
また怒られないように
と緊張すると、逆にミスが増える場合があります。
入力。
確認漏れ。
読み飛ばし。
などがないか確認します。
ミスが怖くて何度も確認する場合
一度ミスを強く責められると、
絶対に間違えられない
と思う場合があります。
その結果、同じ資料を何度も確認して仕事が進まないことがあります。
チェック項目を決めてみましょう。
例えば、
数字
宛先
期限
です。
必要な確認を終えたら次へ進みます。
「怒られないこと」を仕事の目的にしない
毎日、
怒られないようにする
ことばかり考えると、本来の仕事へ意識を向けにくくなります。
例えば、
今日の資料を完成させる
と、仕事の目的へ戻ります。
ただし、職場環境そのものに問題があるなら、集中方法だけで我慢し続けないことも大切です。
上司が近くにいるだけで緊張する場合
相手が近づくだけで、
何か言われるかも
と気になる場合があります。
可能なら、一時的に静かな場所で作業できないか相談する方法もあります。
職場によっては座席変更や作業場所の相談ができる場合があります。
オンラインでもパワハラが気になる場合
チャット。
メール。
オンライン会議。
でも強い言動が行われる場合があります。
メッセージとして残っているものは、会社のルールに従いながら保存方法を確認します。
勝手に社外へ持ち出してよいとは限らないので、情報管理には注意します。
メールやチャットを何度も読み返さない
嫌なメッセージを受けると、
何度も読む
ことがあります。
記録として必要なら適切に保存したうえで、勤務中に繰り返し読み続けないようにします。
今する仕事へ戻ります。
怒鳴られたあとに仕事へ戻れない場合
強い叱責を受けた直後は、
手が震える
頭が真っ白
など、すぐ仕事へ戻れない場合があります。
その状態なら、数分離れられる状況であれば一度休憩します。
無理に重要な作業へ戻らないようにします。
トイレなどへ逃げ続ける状態なら相談を考える
毎日のように、
相手が来るたび席を離れる
職場で隠れる
という状態になっている場合があります。
その状態が続くなら、集中テクニックだけではなく、職場への相談を考えましょう。
信頼できる上司へ相談する
パワハラだと感じる相手とは別に相談できる上司がいる場合があります。
例えば、
○○さんからこういう言動があり、仕事に集中できない状態です
と伝えます。
感情だけでなく、具体的な出来事も説明します。
人事や社内相談窓口を使う
「あかるい職場応援団」では、職場のハラスメントについて、人事部や社内相談窓口へ相談する方法を案内しています。
会社に相談窓口があるか確認してみましょう。
相談するときは「パワハラです」と断定しなくてもいい
相談する段階で、
これは絶対にパワハラです
と言い切る必要はありません。
例えば、
こういう言動が続いていて困っています
仕事に集中できない状態です
と伝えることができます。
何が起きているかを相談します。
仕事への影響も伝える
例えば、
会議後に仕事が手につかなくなる
相手がいるとミスが増える
夜も言われたことを考える
などです。
出来事だけでなく、現在どのように困っているかも伝えます。
同僚へ相談する
信頼できる同僚がいるなら、
自分だけがそう感じているのか
を話すこともできます。
ただし、職場内で広く噂にする必要はありません。
相談する相手を選びます。
労働組合へ相談する
職場に労働組合がある場合は、相談先の一つです。
利用できる窓口を確認します。
会社へ相談しづらい場合
相談したら、
さらに扱いが悪くなるのでは
と不安になることがあります。
「あかるい職場応援団」の相談窓口案内では、会社へ相談しにくい場合などに利用できる外部の相談窓口も紹介されています。
一人で社内だけに解決先を限定する必要はありません。
総合労働相談コーナーへ相談する
都道府県労働局や労働基準監督署などには、総合労働相談コーナーがあります。
厚生労働省によると、
いじめ・嫌がらせ
パワハラ
などを含む幅広い労働問題について相談できます。詳しくは、厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」を確認してください。
会社の外へ相談したい場合の選択肢になります。
外部相談の前にも記録が役立つ
総合労働相談コーナーへ相談する場合も、
日時
場所
言われたこと
誰から
誰が見ていたか
などを整理しておくと、事実関係を説明しやすくなります。
パワハラの記録ばかりで一日を使わない
記録は大切ですが、
勤務時間中ずっと過去の出来事を整理する
状態になると、さらに仕事へ集中できなくなる場合があります。
緊急性がないなら、記録する時間を分ける方法があります。
帰宅後に記録する場合
忘れそうなら勤務中は一言だけ残し、
帰宅後に詳細を書く
方法があります。
ただし、会社の機密情報や個人情報などを自宅へ持ち出すことには注意が必要です。
会社のルールを守ります。
相談用に時系列を作る
出来事が何度もある場合は、
4月1日:○○
4月3日:○○
というように並べます。
一つずつ文章を長く書かなくても構いません。
繰り返しが分かる形にします。
自分の体調も簡単に記録する
例えば、
その日の夜眠れなかった
翌朝仕事へ行くのがつらかった
など、体調の変化がある場合があります。
必要なら簡単に残します。
相談するときの情報になります。
眠れなくなっている場合
言われたことを考えて、
夜になっても眠れない
場合があります。
その状態が続けば、翌日さらに集中しづらくなることがあります。
パワハラ対策だけでなく、自分の心身の状態についても相談を考えましょう。
朝になると仕事へ行くのがつらい場合
毎朝、
職場へ行きたくない
相手に会うのが怖い
という状態が続く場合があります。
集中できないという範囲を超えて生活へ影響しているなら、一人で我慢し続けないようにします。
食欲や体調にも変化がある場合
仕事のことを考えると、
食欲がない
頭痛がする
など、体調へ影響している場合があります。
その状態なら、集中テクニックだけで対応し続けないことが大切です。
こころの耳を利用する
厚生労働省の「こころの耳」では、働く人や家族などを対象に、電話・SNS・メールの相談窓口が案内されています。
パワハラのような出来事によって心身の不調や不安がある場合の相談先の一つです。
産業医へ相談する
会社に産業医がいる場合は、
仕事に集中できない
眠れない
職場へ行くのがつらい
など、現在の状態について相談する方法があります。
職場環境と心身の状態の両方を伝えます。
医療機関へ相談する
パワハラのような出来事が続き、
不眠
強い不安
気分の落ち込み
などが続いている場合があります。
その状態なら、必要に応じて医療機関への相談も検討してください。
集中方法だけで長期間乗り切ろうとしないようにします。
「もっと強くならないと」と考えない
強い言動を受けて集中できないと、
自分が気にしすぎなのか
と思うことがあります。
しかし、まず重要なのは、
何が起きていて、どのように困っているか
です。
自分の性格だけを原因にしないようにしましょう。
我慢できるかどうかで判断しない
「ほかの人なら平気かもしれない」
と考えることがあります。
しかし、自分の仕事や心身へ影響が出ているなら、その状態について相談することができます。
耐えられる限界まで待つ必要はありません。
仕事の指導とパワハラの違いが分からない場合
仕事では、業務上必要な指導を受けることがあります。
一方、厚生労働省は職場のパワーハラスメントについて、優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超え、労働者の就業環境を害するものとして整理しています。詳しくは、「あかるい職場応援団」のパワーハラスメントに関する解説を確認してください。
自分だけで線引きが難しい場合は相談窓口を利用できます。
ミスを指摘されたことだけでパワハラとは限らない
業務上必要な注意や指導が行われることはあります。
そのため、
怒られた=すべてパワハラ
というわけではありません。
どのような言動だったのか。
必要な範囲だったのか。
繰り返されているのか。
などを具体的に整理します。
逆に「仕事の指導だから」と全部我慢しない
仕事上の指導という名前であれば、どんな言動でも許されるというわけでもありません。
困っている場合は、具体的な言動を相談窓口へ伝えます。
自分だけで判断し続けないようにしましょう。
相手へ直接言うのが怖い場合
相手との関係や状況によっては、困っていることを直接伝えるのが難しい場合もあります。
無理に一人で相手と対決する必要はありません。
社内窓口や外部相談先を使う方法があります。
安全を優先する
脅迫。
暴力。
身の危険を感じる行為。
などがある場合は、集中する方法を考えている状況ではありません。
まずその場から安全を確保し、会社の責任者や必要な公的機関などへ相談してください。
退職するかすぐ決めなくてもいい
パワハラが気になると、
もう辞めるしかない
と思うことがあります。
退職が選択肢になる場合もありますが、その場ですぐ決断しなくても構いません。
まず、
相談
記録
心身の状態の確認
など、できることを整理します。
ただし限界まで耐える必要もない
反対に、
辞めたら負け
と考えて我慢し続ける必要もありません。
状況によっては、異動や休職、転職などを検討することもあります。
大きな判断は、相談先や専門家の助けも使いながら考えます。
異動を相談できる場合
会社によっては、部署や上司を変更することで状況が変わる場合があります。
利用できる制度があるか、人事などへ確認してみましょう。
必ず異動できるとは限りませんが、選択肢の一つです。
休職を考えるほどつらい場合
仕事へ集中できないだけでなく、
出勤自体が難しい
心身の状態が悪い
場合があります。
その場合は、一人で休職を決めるより、医療機関や産業医、人事などへ相談しながら考えることが大切です。
転職を考える場合
職場環境を変えることも選択肢にはなります。
ただし、強い不安や疲れがある状態で急いで決断するのが難しい場合があります。
可能なら相談先を使いながら整理します。
今すぐできる仕事を一つだけする
相談や職場環境の問題は、すぐ解決しない場合があります。
その日の仕事を進める必要があるなら、
今できる一つ
へ小さくします。
例えば、
メールを一通
です。
10分だけ区切る
体調に大きな問題がなく、仕事へ戻れる状態なら、
10分だけ
一つの作業へ集中します。
タイマーが鳴ったら一度休憩します。
長時間我慢し続けることを目標にしません。
難しい仕事は集中できる時間へ移す
朝はまだ比較的できる。
午後になると相手が気になってできない。
という場合があります。
自分で調整できるなら、重要な仕事を集中しやすい時間へ移す方法があります。
ただし、これは職場環境の問題そのものを解決する方法ではありません。
職場の不安やプレッシャーで仕事が進まない場合は、焦りや不安で仕事に集中できないときの対処法も参考にしてください。
Pomolikaでパワハラを耐えるために集中しない
Pomolikaはブラウザで使えるポモドーロタイマーです。
パワハラのような言動があり仕事へ集中できないとき、
タイマーを使って我慢して働き続ける
ことが目的ではありません。
一方、体調に大きな問題がなく、
今の仕事を少しだけ進めたい
場合は、作業を小さくするために使えます。
例えば、
気になっている出来事を一言メモする
↓
今する仕事を一つ決める
↓
Pomolikaを10分に設定する
↓
10分だけその仕事をする
という流れです。
10分終わったら一度状態を確認します。
そして、
同じような言動が繰り返されている
仕事や心身へ大きく影響している
なら、タイマーで対応し続けず、相談することも考えてください。
まとめ
パワハラのような言動が気になって仕事へ集中できないときは、
もっと仕事に集中しないと
と自分だけを責める必要はありません。
例えば、
- 何が起きたか具体的に整理する
- 日時・場所・言われたこと・相手などを記録する
- 仕事への影響も残しておく
- 目の前の仕事は10分程度へ小さくする
- 同じ言動が続くなら社内相談窓口や人事へ相談する
- 信頼できる上司や労働組合へ相談する
- 会社へ相談しづらければ外部相談窓口も利用する
- 不眠や強い不安などが続くなら産業医や医療機関への相談も検討する
- 仕事の指導なのか判断に迷う場合も一人で結論を出さない
- 集中方法だけで長期間我慢し続けない
といったことを考えてみましょう。
言われたことを思い出す。
また怒られる気がする。
仕事へ集中できない。
そんな状態なら、
集中できないことだけ
を直そうとしなくても構いません。
まず何が起きたか残す。
今日する仕事を一つにする。
必要なら相談する。
パワハラが疑われる状況では、集中力を取り戻すことと同じくらい、働く環境そのものへ対応することも考えてみましょう。