「また先延ばししてしまった」「どうして自分はすぐに行動できないんだろう」。
やるべきことを後回しにすると、作業が進んでいないことだけでなく、
先延ばしした自分を責めてしまう
ことがあります。
そんなときに知っておきたい考え方の一つが、セルフコンパッションです。
セルフコンパッションは、失敗や困難があるときに、自分を必要以上に厳しく批判するのではなく、自分自身に思いやりを向ける考え方です。
先延ばしについても研究されており、先延ばし傾向とセルフコンパッション、ストレスの間に関連があることが報告されています。
ただし、
自分に優しくすれば先延ばしが治る
と単純に考えるものではありません。
この記事では、先延ばしとセルフコンパッションの関係と、先延ばししたあとに作業へ戻るための考え方を紹介します。
セルフコンパッションとは?
セルフコンパッションという言葉を見ると、
自分を甘やかすこと
のように感じるかもしれません。
しかし、失敗したことをなかったことにしたり、「何もしなくてもいい」と考えたりすることとは異なります。
例えば、仕事を一日先延ばししてしまったとします。
そこで、
自分は本当に意志が弱い
と責め続けるのではなく、
今日は先延ばししてしまった。では、どこから戻ろう
と考えます。
失敗を否定せず、自分への批判だけで終わらせないことがポイントです。
先延ばしとセルフコンパッションを調べた研究がある
心理学者Fuschia M. Siroisによる研究では、大学生と一般成人を含む4つのサンプルを対象に、先延ばし、セルフコンパッション、ストレスの関係が調べられました。
研究では、
- 先延ばし傾向が高いこととセルフコンパッションの低さに関連があった
- 先延ばし傾向が高いこととストレスの高さに関連があった
- セルフコンパッションが、先延ばしとストレスの関係を統計的に媒介していた
ことが報告されています。
ここで注意したいのは、
セルフコンパッションを高めれば先延ばしがなくなると証明した研究ではない
ことです。
「先延ばしする人は自分に厳しい」「自分に優しくすれば必ず行動できる」と因果関係まで断定することはできません。
研究から読み取れるのは、先延ばし、セルフコンパッション、ストレスの間に関連が見られたということです。
先延ばししたあとに自分を責め続ける
例えば、午前中に始める予定だった仕事を夕方まで先延ばししたとします。
そのとき、
「またできなかった」
「いつも同じことをしている」
「自分はだめだ」
と考えることがあります。
しかし、その時間もまだ作業は進んでいません。
先延ばしした事実を振り返ることはできますが、自分を責め続けるだけでは、次に何をすればいいのかは決まりません。
そこで、
反省すること
と、
自分を責め続けること
を分けて考えてみましょう。
自分を責めないことと反省しないことは違う
セルフコンパッションを意識するからといって、
先延ばししても気にしなくていい
ということではありません。
例えば、締め切りのある仕事を先延ばししたなら、
「なぜ始められなかったのか」
を振り返ることはできます。
- 作業が大きすぎた
- 何から始めるか決まっていなかった
- スマホを見始めた
- 完璧にやろうとしていた
- 始める時間を決めていなかった
など、具体的な状況を確認します。
そのうえで、
次はどう変えるか
を一つ決めます。
自分への批判ではなく、次の行動につながる振り返りにします。
「自分は先延ばしする人」と決めつけない
何度も先延ばしすると、
自分は先延ばし癖のある人間だ
と考えることがあります。
しかし、そのように自分自身を評価するより、
今回は何が起きたのか
を見るほうが、次の対策を考えやすくなります。
例えば、
「自分は意志が弱い」
ではなく、
「資料作成の最初の作業を決めていなかった」
と考えます。
すると次回は、
最初に見出しを3つ作る
という具体的な変更ができます。
人そのものではなく、変えられる行動に注目してみましょう。
先延ばしに気づいたら3つだけ確認する
先延ばししていることに気づいたときは、長く反省する必要はありません。
次の3つを確認してみましょう。
- 何を先延ばししている?
- 何が始めにくかった?
- 今からできる最初の一つは?
例えば、
何を先延ばししている? → プレゼン資料
何が始めにくかった? → 作る内容が曖昧だった
今からできる最初の一つは? → 見出しを3つ書く
という形です。
先延ばしした時間を取り戻そうとするのではなく、今からできる行動を決めます。
「今日はもうダメ」をやめて途中から戻る
午前中に先延ばししてしまうと、
今日はもう計画どおりにできなかった
と感じることがあります。
しかし、午前中にできなかったことと、午後も何もしないことは別です。
例えば、9時に始める予定だった仕事を14時まで先延ばししてしまったとしても、14時から少し進めることはできます。
予定どおりにできなかった自分を責めるより、
今の時点から何ができるか
を考えてみましょう。
先延ばしをゼロにするのではなく、先延ばししたあとに戻ることも対策になります。
セルフコンパッションを新しい「やること」にしない
セルフコンパッションについて知ると、
毎日セルフコンパッションを実践しなければ
と考えてしまうかもしれません。
しかし、それが新しいタスクになって負担になれば、本来の目的から離れてしまいます。
難しい方法から始める必要はありません。
先延ばしに気づいたときに、
自分を責めるだけで終わっていないか
と確認する程度でも構いません。
そして、今できる小さな行動へ戻ります。
セルフコンパッションだけで先延ばしを解決しようとしない
先延ばしにはさまざまな状況があります。
作業内容が曖昧なら、タスクを具体的にする必要があります。
スマホを見てしまうなら、作業中だけスマホから距離を取る方法があります。
何時間も作業することを考えて始められないなら、時間を短く区切ることもできます。
セルフコンパッションは、
先延ばし対策をしなくてもよくなる方法
ではありません。
自分を責め続けるところで止まらず、必要な対策へ移るための考え方として使ってみましょう。
Pomolikaで「責める」から「戻る」へ切り替える
Pomolikaはブラウザで使えるポモドーロタイマーです。
先延ばししたことに気づいたら、
またできなかった
と考え続ける代わりに、そこから作業へ戻るきっかけを作ることができます。
例えば、
先延ばししていることに気づく
↓
何が始めにくかったか確認する
↓
今からすることを一つ決める
↓
Pomolikaで作業時間を設定する
↓
その作業へ戻る
という流れです。
25分が長ければ、自分が始めやすい短い時間でも構いません。
目的は、先延ばしした自分を評価することではなく、
今から作業へ戻ること
です。
気持ちを今の行動へ戻す方法は、先延ばしとマインドフルネスの関係でも紹介しています。
まとめ
先延ばしをすると、
またできなかった
と自分を責めてしまうことがあります。
先延ばしとセルフコンパッションについて調べた研究では、先延ばし傾向の高さとセルフコンパッションの低さ、ストレスの高さに関連が報告されています。
ただし、セルフコンパッションだけで先延ばしが解消すると考えるものではありません。
先延ばししたときは、
- 何を先延ばししているか確認する
- 自分自身ではなく、始めにくかった状況を見る
- 次に変えられることを一つ決める
- 計画どおりでなくても途中から戻る
- 必要なら作業を小さくしたり時間を区切ったりする
といった方法があります。
先延ばししたことをなかったことにする必要はありません。
反省はしても、自分を責め続けるだけで終わらせず、
今から何をするか
へ意識を戻してみましょう。