先延ばしストレスメンタル対策

先延ばしでストレスが増える?「やらなきゃ」が頭から離れないときの対策

先延ばしとストレスにはどのような関係があるのでしょうか。先延ばしすると一時的に楽になる一方、締め切りや未完了の作業によってストレスが増えることがあります。先延ばしがひどくなったと感じるときの考え方と対策を紹介します。

「先延ばししていることがずっと頭に残っている」

「やらなきゃと思っているのに動けなくて、ストレスになる」

仕事や勉強を先延ばしすると、その瞬間は少し楽になることがあります。

嫌な仕事をやらなくていい。

難しい課題について考えなくていい。

面倒な作業から離れられる。

ところが、先延ばしした作業そのものが消えるわけではありません。

むしろ時間が経つことで、

締め切りが近づく

やることがたまる

「まだやっていない」と気になる

といった新しい負担が加わることがあります。

その結果、

ストレスがあるから先延ばしする

先延ばししたことでさらにストレスが増える

という循環になることも考えられます。

この記事では、先延ばしとストレスの関係について研究も確認しながら、先延ばしがひどくなったと感じるときの対策を紹介します。

先延ばしとストレスには関係がある?

先延ばしとストレスの関連は、心理学や健康心理学の研究でも調べられています。

2023年に『British Journal of Health Psychology』に掲載された縦断研究では、379人を対象として先延ばし、ストレス、健康行動、健康上の問題などを調査しています。

その結果、慢性的な先延ばしは、各調査時点で高いストレスと関連していました。

また研究では、

先延ばしと健康上の問題との関係において、ストレスが重要な経路になっている可能性

も示されています。

ただし、

先延ばしをすると必ず健康上の問題が起きる

という意味ではありません。

先延ばしとストレスには関連があり、その関係を研究する必要がある、と考えるのが適切です。

参考: PubMed:Procrastination and health: A longitudinal test of the roles of stress and health behaviours

大学生を対象にした研究でもストレスとの関連が報告されている

2023年に『JAMA Network Open』で発表された研究では、スウェーデンの大学生3,525人を対象に、先延ばしとその後の健康状態との関連が調べられました。

9か月後まで追跡した結果、先延ばしの程度が高いことは、

その後のストレス症状

だけでなく、

不安症状。

抑うつ症状。

睡眠の質。

身体活動。

孤独感。

など複数の項目と関連していました。

一方で、研究者自身も、

確認された関連の多くは強いものではない

と説明しています。

また、この研究だけで、

「先延ばしが直接すべての問題を引き起こした」

と断定することもできません。

先延ばしと精神的・身体的な状態には関連があり、その一つとしてストレスも調べられている、と理解しておきましょう。

参考: JAMA Network Open:Associations Between Procrastination and Subsequent Health Outcomes Among University Students in Sweden

なぜ先延ばしするとストレスが増えるのか

例えば、

金曜日までに資料を提出する必要があるとします。

月曜日。

まだ時間があるのでやらない。

火曜日。

面倒なのでやらない。

水曜日。

そろそろやらないといけない。

木曜日。

かなり気になってくる。

金曜日。

もうやるしかない。

この場合、

作業量そのものは月曜日から大きく変わっていません。

しかし、残された時間は減っています。

そのため、

「間に合うかな」

「なんで早くやらなかったんだろう」

「今日中に終わらせないと」

という新しい負担が加わります。

先延ばしによって、

タスク+時間的なプレッシャー

という状態になってしまうわけです。

先延ばしするとその瞬間は楽になる

それなら、

なぜストレスが増える可能性があるのに先延ばしするのでしょうか。

一つの考え方として、

目の前の嫌な気持ちから離れられる

ことがあります。

例えば、

難しい資料を作らなければいけない。

何を書けばいいか分からない。

嫌な気持ちになる。

「あとでやろう」と決める。

今は資料について考えなくてよくなる。

この瞬間だけを見ると、

先延ばしによって気持ちが少し楽になります。

先延ばし研究では、このような行動を短期的な気分調整という観点から説明する研究があります。

将来困る可能性があっても、

今感じている不快感から離れることを優先してしまう

という考え方です。

ストレスがあると先延ばししやすくなる可能性もある

関係は、

先延ばし → ストレス

だけとは限りません。

ストレスの高い状況では、

難しいことを考える。

嫌な感情に耐える。

誘惑を避ける。

といったことが普段より難しくなる可能性があります。

2023年の先延ばしとストレスに関するレビューでは、

ストレスの高い状況そのものが先延ばしへの脆弱性を高める可能性

について論じられています。

つまり、

ストレスがある。

嫌な仕事を避ける。

先延ばしする。

締め切りが近づく。

さらにストレスが増える。

という循環も考えられます。

参考: PubMed:Procrastination and Stress: A Conceptual Review of Why Context Matters

「やらなきゃ」が頭から離れない

先延ばしのつらいところは、

やっていない時間が完全な自由時間になるとは限らない

ことです。

例えば、休日に仕事を先延ばししたとします。

ゲームをしている。

動画を見る。

出かける。

それでも頭のどこかに、

「あの仕事やらないとな」

が残っていることがあります。

すると、

仕事はしていない。

でも完全には休めていない。

という状態になります。

「あとでやる」と決めただけでは、やるべきことそのものは残っています。

「先延ばしした自分」へのストレスも加わる

さらに、

タスクそのものとは別のストレスが加わることがあります。

例えば、

「なんでまた先延ばししたんだろう」

「自分は意志が弱い」

「こんなこともできない」

と考えることです。

すると、

作業へのストレス

に加えて、

先延ばしした自分へのストレス

まで抱えることになります。

先延ばしした。

自己嫌悪する。

気分が重くなる。

さらに作業へ戻りにくくなる。

という流れになることもあります。

先延ばししたあとの罪悪感については、先延ばしと罪悪感・自己嫌悪も参考にしてください。

先延ばしがひどくなったと感じるのはなぜ?

以前より先延ばしが増えたと感じる場合、

自分の性格が急に変わった

と決めつける必要はありません。

まず、最近の状況を確認してみましょう。

例えば、

仕事が増えた。

やることが増えた。

締め切りが重なっている。

睡眠が不足している。

疲れている。

一つひとつのタスクが大きい。

失敗したくない仕事が増えた。

などです。

先延ばしは、

本人だけではなく、置かれている状況によっても変化する可能性があります。

「最近ひどくなった」と感じたら、

最近何が変わった?

と考えてみると原因を探しやすくなります。

「先延ばしで病む」と感じるとき

検索すると、

「先延ばし 病む」

「先延ばし 精神」

「先延ばし やばい」

といった言葉も見られます。

先延ばしを繰り返して、

焦り。

自己嫌悪。

不安。

ストレス。

などを感じることはあります。

ただし、

先延ばしをしていることだけから、精神疾患などを自己判断することはできません。

反対に、強いストレスや心身の不調が続いている状態を、

「自分が先延ばしする性格だから」

だけで片付けるのも適切ではありません。

生活に大きな支障が出ている場合や、つらい状態が続いている場合は、先延ばし対策だけで解決しようとせず、医療機関や公的な相談窓口など専門家への相談も検討してください。

先延ばしをゼロにしようとしない

ストレスを減らすために、

今日から絶対に先延ばししない

と決めると、それ自体が新しいプレッシャーになることがあります。

すべてのメールへ即返信する。

思いついた仕事を全部すぐやる。

家事もすぐやる。

勉強も毎日完璧にやる。

これでは、

先延ばししないことが新しいタスク

になってしまいます。

必要なのは、

すべてを即座に処理することではありません。

自分が困っている先延ばしを一つ選び、

少しだけ早く着手できる状態を作る

ことから始めます。

頭の中からタスクを外へ出す

やることが複数あると、

「あれもやらないと」

「これもまだだった」

と頭の中で何度も思い出すことがあります。

そこで、一度書き出します。

例えば、

  • 資料を作る
  • メールを返す
  • 予約する
  • 書類を提出する

とします。

そして、

今日やるものを一つ選びます。

全部を同時に考えるのではなく、

今やる一つ

へ注意を向けます。

締め切りではなく開始時間を決める

先延ばししていると、

金曜日までに終わらせる

という締め切りだけ決まっていることがあります。

しかし、

いつ始めるのか

は決まっていません。

そこで、

「金曜日までに資料を完成させる」

だけでなく、

「火曜日の19時から10分、構成を作る」

と開始時間も決めます。

締め切りは、

終わる時間

です。

先延ばしを減らしたいなら、

始める時間

も決めてみましょう。

ストレスの原因になっているタスクを小さくする

先延ばししているものを見るだけでストレスを感じるなら、

タスクが大きすぎる可能性があります。

例えば、

資料を作る

ではなく、

資料のタイトルを書く。

見出しを3つ作る。

必要な数字を一つ調べる。

まで小さくします。

勉強なら、

試験勉強をする

ではなく、

問題を3問解く。

掃除なら、

部屋を掃除する

ではなく、

机の上だけ片付ける。

タスクそのものをなくせなくても、

今向き合う範囲

は小さくできます。

10分だけ進めて「未着手」をなくす

まだ一度も手をつけていないタスクは、

どれくらい大変なのか分からない

ことがあります。

そこで、

10分だけ触ってみます。

例えば、

資料を10分。

勉強を10分。

返信を10分。

掃除を10分。

10分で終わらなくても構いません。

目的は、

完了ではなく未着手の状態を終わらせること

です。

一度始めれば、

必要な作業量。

難しいところ。

次にやること。

が少し見えてきます。

疲れているなら休むことも先延ばしとは限らない

ストレスが高いときほど、

休む=逃げ

と思うことがあります。

しかし、本当に疲れているなら休息が必要な場合もあります。

重要なのは、

無期限に「あとで」へ送ること

と、

意図的に休んで再開すること

を分けることです。

例えば、

「今日はやらない」

だけではなく、

「今日は休んで、明日の10時から20分やる」

とします。

予定を変更するなら、

再開する時間も決める

という方法です。

疲れや無気力と先延ばしについては、疲れや無気力で先延ばししてしまうのはなぜ?も参考にしてください。

Pomolikaで「やらなきゃ」を「10分やった」に変える

Pomolikaはブラウザで使えるポモドーロタイマーです。

先延ばししているタスクがストレスになっているなら、

全部終わらせる

ことを最初の目標にしなくても構いません。

例えば、

一番気になっているタスクを一つ選ぶ

10分でできる大きさまで小さくする

Pomolikaを10分に設定する

10分だけ取り組む

という使い方ができます。

資料なら、

見出しだけ。

勉強なら、

問題を数問だけ。

返信なら、

一件だけ。

10分後に仕事が終わっていなくても、

「何もしていない」から「少し進めた」

には変わります。

先延ばししていることが頭から離れないときは、まず未着手の状態を一つ減らしてみましょう。

Pomolikaのタイマーを使う

まとめ

先延ばしとストレスには関連があることが研究でも報告されています。

先延ばしすると、

その瞬間は嫌な作業から離れられる

ため、一時的に気持ちが楽になることがあります。

しかし、作業自体は残ります。

時間が経つと、

締め切りが近づく。

やることがたまる。

「まだやっていない」と気になる。

自己嫌悪する。

といった負担が加わることがあります。

また、

ストレスが高い状況では先延ばししやすくなり、それによってさらにストレスが増える

という循環も考えられます。

だから、

「先延ばしする自分はダメだ」

と考えるだけではなく、

今、何が一番ストレスになっている?

と確認してみましょう。

そして、

タスクを書き出す。

一つだけ選ぶ。

開始時間を決める。

タスクを小さくする。

10分だけ始める。

といった方法を試します。

すべての先延ばしを一度になくす必要はありません。

まず、

頭の中で一番気になっている一つを、少しだけ進める。

そこから始めてみましょう。