「先延ばししやすいMBTIってある?」
「自分が先延ばしするのはINTPだから?」
「INFPやENFPは先延ばししやすい?」
MBTIについて調べていると、
「このタイプは先延ばししやすい」
「このタイプは計画的だから先延ばししない」
といった情報を見かけることがあります。
16タイプそれぞれに特徴があるなら、
先延ばしにも違いがありそうに感じます。
ただし、ここで注意したいのが、
MBTIだけを根拠に、その人が先延ばししやすいかどうかを判断するのは難しい
ということです。
先延ばしについては心理学で多くの研究がありますが、よく研究されているのはMBTIの16タイプというより、
誠実性。
衝動性。
自己効力感。
課題への嫌悪感。
などの要因です。
この記事では、MBTIと先延ばしを安易に結びつけず、性格と先延ばしについて研究から分かっていることを整理します。
MBTIとは?
MBTIは、
Myers-Briggs Type Indicator
の略です。
人の心理的な傾向をいくつかの指標から捉え、タイプとして理解するために使われています。
一般には、
外向・内向。
感覚・直観。
思考・感情。
判断・知覚。
といった軸を組み合わせた16タイプが広く知られています。
例えば、
INTJ。
INTP。
INFP。
ENFP。
ENTP。
ESFJ。
などです。
自分の考え方や行動の傾向を振り返るきっかけとして、MBTIに興味を持つ人も多いでしょう。
では、
この16タイプによって先延ばしのしやすさも決まるのでしょうか。
「このMBTIは先延ばししやすい」とは簡単に言えない
結論からいうと、
特定のMBTIタイプだから先延ばしする、と単純に断定するのは避けたほうがよいでしょう。
例えば、
「INTPは先延ばしする」
「INFPは先延ばししやすい」
「J型なら計画的だから先延ばししない」
といった説明です。
一見すると納得できそうですが、
先延ばしは、
性格だけで決まる行動ではありません。
同じ人でも、
好きな仕事はすぐ始める。
嫌いな仕事は後回しにする。
締め切り直前なら動く。
疲れている日は先延ばしする。
ということがあります。
つまり、
「どんな人か」だけでなく「どんな状況か」も関係します。
先延ばしは心理学で研究されている
先延ばしは、
心理学では procrastination と呼ばれ、多くの研究があります。
代表的な研究の一つが、心理学者Piers Steelによる2007年のメタ分析です。
この研究では、先延ばしに関連する多数の研究結果がまとめられています。
そこで比較的一貫して先延ばしとの関連が示されたものには、
課題への嫌悪感。
課題や結果までの時間。
自己効力感。
衝動性。
誠実性。
自己統制。
注意のそれやすさ。
整理・計画性。
達成動機。
などがあります。
つまり研究を見ると、
「MBTIの何型か」より細かな心理特性や状況が先延ばしと関係している
ことが分かります。
性格と先延ばしに関係がないわけではない
では、
「性格と先延ばしは関係ない」
のでしょうか。
そういうわけでもありません。
先延ばし研究では、
性格特性との関連
も研究されています。
特に有名なのが、
Big Five
と呼ばれる性格特性のモデルです。
Big Fiveでは、
外向性。
協調性。
誠実性。
神経症傾向。
開放性。
という5つの特性から性格を捉えます。
先延ばしとの関係では、
特に、
誠実性(Conscientiousness)
との関連が多く研究されています。
誠実性には、
計画する。
自己統制する。
整理する。
目標へ向かって行動する。
といった特徴が含まれます。
先延ばし研究では、誠実性が高いほど先延ばしが少ないという関連が繰り返し報告されています。
ただし、
これも、
「誠実性が低い人は必ず先延ばしする」
という意味ではありません。
あくまで集団として見たときの関連です。
MBTIのJとPだけで先延ばしを判断できる?
MBTIについて考えると、
特に気になるのが、
JとP
ではないでしょうか。
一般的なタイプ説明を見ると、
Jは計画的。
Pは柔軟。
というイメージを持つ人もいます。
そこから、
「P型は先延ばししやすい」
と考えたくなります。
ただし、
Pだから先延ばしする、Jだから先延ばししない、と置き換えることはできません。
計画を立てることと、
実際にその計画どおり行動できることは別だからです。
例えば、
綿密な計画を作った。
↓
完璧な計画にこだわる。
↓
なかなか開始できない。
という先延ばしもあります。
計画性と先延ばしについては、先延ばしと計画性の関係は?でも紹介しています。
計画的な人でも先延ばしする
「自分は計画するのが好きなのに先延ばしする」
という人もいるでしょう。
これは矛盾しているとは限りません。
例えば、
旅行計画はすぐ作れる。
でも仕事の資料は先延ばしする。
ということがあります。
違いは、
性格だけではありません。
仕事の資料は、
難しい。
面倒。
失敗したくない。
評価されるのが怖い。
と感じているかもしれません。
この場合、
「計画的な性格かどうか」
より、
その課題をどう感じているか
のほうが重要になる可能性があります。
INTPだから先延ばしする?
インターネットでは、
「INTPは先延ばししやすい」
といった説明を見かけることがあります。
例えば、
考えすぎる。
興味があることを優先する。
単調な作業が苦手。
などの特徴と先延ばしが結びつけられることがあります。
確かに、
自分自身の行動を振り返ったとき、
「当てはまる」
と感じる人もいるでしょう。
ただし、
INTPというタイプだけを理由に先延ばしを説明することはできません。
もし、
単調な仕事だけ先延ばしする
のであれば、
注目したいのは、
INTPかどうかではなく、
「単調な仕事への嫌悪感」
かもしれません。
INFPだから先延ばしする?
INFPについても、
完璧主義。
理想が高い。
気分に左右される。
といった説明から、先延ばしと結びつけられることがあります。
しかし、
これも、
「INFPだから先延ばしする」
とは言えません。
例えば、
完璧に仕上げたい。
↓
失敗したくない。
↓
なかなか始められない。
という状態なら、
見るべきなのは、
MBTIより、
完璧主義と先延ばしの関係
です。
完璧主義による先延ばしについては、先延ばしと完璧主義の関係は?でも紹介しています。
ENFPだから先延ばしする?
ENFPについては、
新しいことに興味を持ちやすい。
別のことへ注意が移りやすい。
ルーティンが苦手。
といったタイプ説明から、先延ばしと関連づけられることがあります。
でも、
ここでも考え方は同じです。
例えば、
新しいことへ次々興味が移って、
今やるべき仕事が止まる
のであれば、
重要なのは、
ENFPというラベルより、
注意がそれる環境や行動パターン
です。
通知を切る。
作業を一つだけ表示する。
別のアイデアはメモして後で見る。
といった対策のほうが、実際の先延ばし改善にはつながりやすくなります。
「MBTIだから仕方ない」にしない
MBTIで自分の特徴を考えること自体が問題なのではありません。
例えば、
「自分は計画を細かく決めすぎると嫌になるな」
「単調な仕事は後回しにしやすいな」
「考えすぎて開始が遅れるな」
と、自分の行動を振り返るきっかけにはできます。
ただ、
「自分はP型だから先延ばしする」
↓
「性格だから仕方ない」
となると、
対策を考えにくくなります。
先延ばしは、長期間で見ても完全に固定された特徴とは限りません。2026年に公表された18年間の縦断研究でも、先延ばしには一定の安定性がある一方、年齢とともに減少する傾向や、誠実性などの変化との関連が報告されています。
つまり、
「私は先延ばしするタイプの人間」と固定して考える必要はありません。
MBTIより「何を先延ばしするか」を見る
先延ばしを減らしたいなら、
MBTIタイプを調べ続けるより、
実際の行動を観察したほうが役立つことがあります。
例えば、
どんな仕事を先延ばしした?
いつ先延ばしした?
そのとき何を感じた?
代わりに何をしていた?
締め切りまで何日あった?
と考えます。
すると、
自分は先延ばしする人
ではなく、
「曖昧な仕事を先延ばししやすい」
と分かるかもしれません。
あるいは、
人に評価される仕事を先延ばしする。
締め切りが遠いと先延ばしする。
疲れている夜に先延ばしする。
完璧にやろうとすると先延ばしする。
といったパターンが見つかるかもしれません。
こちらのほうが具体的な対策につなげやすくなります。
自分の先延ばしパターンを分類してみる
例えば、
資料作成を先延ばししたとします。
そこで、
「自分はINFPだから」
で終わらせず、
理由を考えます。
難しすぎる
何をすればいいか分からない。
→ 最初の作業を具体化する。
面倒
作業そのものが嫌。
→ 10分だけ始める。
失敗が怖い
評価されることに不安がある。
→ 最初から完成版を作らず下書きを作る。
完璧にしたい
100点を目指して開始できない。
→ まず60点の初稿を作る。
注意がそれる
スマホや別作業を始める。
→ 作業中に触れるものを減らす。
同じ「先延ばし」でも、
原因によって対策は変わります。
先延ばしの心理的な原因については、なぜ先延ばししてしまう?でも詳しく紹介しています。
MBTIを先延ばし対策に使うなら
MBTIを先延ばし対策へ使いたいなら、
「どのタイプが一番先延ばしする?」
とランキングにするより、
自分の行動を観察するきっかけ
として使うほうがよいでしょう。
例えば、
自分は自由に進めたいタイプだと思う。
↓
細かすぎる計画だと嫌になる?
↓
なら「今日やる一つ」だけ決めてみる。
あるいは、
自分は計画を立てるのが好き。
↓
計画作りだけで満足していない?
↓
計画後すぐ5分だけ実行する。
という使い方です。
タイプの説明を、
そのまま自分の運命にするのではなく、
実際の行動と照らし合わせます。
先延ばししやすい性格については別の記事でも解説
MBTIに限定せず、
「そもそも先延ばししやすい性格はあるの?」
と知りたい場合は、先延ばししやすい性格とは?でも紹介しています。
先延ばし研究では、
性格だけでなく、
課題の内容。
締め切り。
自己効力感。
衝動性。
環境。
なども関係します。
そのため、
性格だけを直そうとする必要はありません。
環境や仕事の始め方を変えるだけでも、先延ばしへの対策はできます。
Pomolikaで「タイプ」より行動を見る
Pomolikaはブラウザで使えるポモドーロタイマーです。
例えば、
「自分はP型だから今日も先延ばししてしまった」
と思ったとします。
そこで終わらせず、
今から何ならできるか
を考えます。
資料を完成させる。
ではなく、
資料の見出しだけ作る。
Pomolikaを10分に設定。
↓
見出しを書く。
↓
10分だけ作業する。
という形です。
MBTIが何タイプでも、
実際に作業するときに必要なのは、
次に何をするか
です。
性格を変えてから行動する必要はありません。
今の自分のままでも、
作業を小さくすることはできます。
まとめ
「先延ばししやすいMBTIはある?」
という疑問を持つ人はいるでしょう。
しかし、
特定のMBTIタイプだから先延ばしする、と単純に判断するのは難しい
と考えたほうがよいでしょう。
先延ばしについての研究では、
誠実性。
自己効力感。
衝動性。
課題への嫌悪感。
自己統制。
注意のそれやすさ。
など、さまざまな要因との関連が研究されています。
だから、
「INTPだから」
「INFPだから」
「ENFPだから」
「P型だから」
だけで自分の先延ばしを説明する必要はありません。
MBTIを使うなら、
自分の行動を振り返るきっかけにする。
そして、
実際に先延ばししたときは、
何を先延ばしした?
なぜ嫌だった?
何が怖かった?
何に気を取られた?
どこまで小さくすれば始められる?
と考えます。
タイプを知ることより、自分が先延ばしする条件を知ること。
そのほうが、具体的な対策へつなげやすくなります。