先延ばし大学生勉強課題

大学生はなぜ先延ばししてしまう?課題や勉強を後回しにする原因と対策

大学生が課題や勉強を先延ばししてしまう原因と対策を紹介します。締め切りの遠さ、課題の曖昧さ、スマホや不安などを整理し、レポートや試験勉強を少しずつ進める方法を解説します。

「レポートをやらないといけないのに、締め切り直前まで始められない」

「試験勉強を早めに始めようと思っていたのに、また前日になってしまった」

大学生活では、自分で時間を管理する場面が増えます。

高校までのように毎日決まった時間割だけで動くのではなく、

  • レポート
  • 試験勉強
  • 卒論
  • ゼミの準備
  • 資格の勉強
  • 就職活動
  • アルバイト

などを、自分で予定へ入れて進める必要があります。

そのため、

締め切りは分かっているのに、なかなか始められない

という先延ばしも起こりやすくなります。

ただし、

大学生だから先延ばしする

ということではありません。

大学生の先延ばしは心理学でも「academic procrastination(学業上の先延ばし)」として研究されており、作業への不快感、自己コントロール、自己効力感、締め切りまでの時間など、さまざまな要因との関係が調べられています。

この記事では、大学生が課題や勉強を先延ばししてしまう理由を整理しながら、少しずつ取り組むための方法を紹介します。

大学生の先延ばしは研究されている

大学生の先延ばしは、先延ばし研究の中でもよく扱われるテーマです。

特に、

academic procrastination

と呼ばれる学業上の先延ばしについて、多くの研究があります。

例えば、

レポートを後回しにする。

試験勉強を始めない。

課題提出を締め切り直前まで延ばす。

卒論が進まない。

といった行動です。

Piers Steelによる2007年のメタ分析では、先延ばしに関する多数の研究が統合され、

  • 作業への嫌悪感
  • 自己効力感
  • 衝動性
  • 自己コントロール
  • 結果が得られるまでの時間

などとの関係が整理されています。

Steelによる先延ばし研究のメタ分析

先延ばしについての研究全体は、先延ばしの研究・論文まとめでも紹介しています。

なぜ大学生は先延ばししやすくなる?

大学生活では、自分で決めることが増えます。

例えば、

「レポートは2週間後まで」

と言われても、

今日やる。

明日やる。

来週やる。

という部分までは誰も決めてくれません。

そのため、

締め切りはあるけれど、開始時間は自分で決める

という課題が多くなります。

さらに、

授業。

アルバイト。

サークル。

友人との予定。

スマホ。

ゲーム。

動画。

など、課題以外にも選択肢があります。

こうした環境では、

今すぐやらなくても問題が起きない課題

ほど後回しにしやすくなることがあります。

締め切りが遠いと「まだ大丈夫」と思いやすい

例えば、

3週間後までにレポートを提出する

とします。

提出直後なら、

「まだ3週間ある」

と思います。

1週間後も、

「まだ2週間ある」。

さらに1週間後、

「まだ1週間ある」。

そして提出前日になって、

さすがにやらないとまずい

と始めます。

先延ばし研究では、

結果や締め切りまでの時間

も重要な要素として扱われています。

遠い締め切りだけを見るのではなく、

今日すること

へ変えてみましょう。

例えば、

3週間後:レポート提出

ではなく、

今日:テーマを決める

明日:文献を2本探す

今週:構成を作る

という形です。

レポートが大きすぎて始められない

「レポートを書く」。

これは、一つの作業に見えて実際にはかなり大きなタスクです。

例えば、

テーマを確認する。

必要な資料を探す。

文献を読む。

考えを整理する。

構成を作る。

文章を書く。

引用を整える。

見直す。

といった複数の作業があります。

それをすべて、

レポートを書く

と考えると、始める前から重く感じることがあります。

そこで、

次にする一つ

まで小さくします。

例えば、

文献を1本探す

見出しを3つ作る

最初の100文字だけ書く

といった形です。

レポート全体ではなく、今日進める一部分だけを見ます。

試験勉強は「勉強する」では曖昧すぎる

試験勉強でも同じです。

予定に、

試験勉強

とだけ書いてあると、

何をすればいいか分かりません。

例えば、

教科書を読む。

問題集を解く。

過去問を解く。

暗記する。

分からないところを調べる。

などに分けられます。

さらに、

問題集を10問解く

まで小さくします。

「勉強しなければ」と考え続けるより、

次の10分で何をするか

を決めるほうが始めやすくなります。

「まだ時間がある」が何度も続く

大学生の先延ばしでは、

今日やらなくてもまだ間に合う

という判断が何度も続くことがあります。

今日やらなくても間に合う。

明日でも間に合う。

週末でも間に合う。

確かに、その一日だけを見れば正しいかもしれません。

しかし、それを何度も繰り返すと締め切りが近づきます。

行動経済学では、将来より現在の利益や負担を強く意識しやすい傾向として、

現在バイアス

という考え方があります。

「将来の自分なら勉強する」

と思っていても、明日になれば、

今日の自分

になります。

現在バイアスについては、なぜ先延ばしする?行動経済学の「現在バイアス」から考えるでも紹介しています。

スマホや動画のほうがすぐ楽しめる

大学の課題は、成果が出るまで時間がかかります。

レポートを書く。

提出する。

評価される。

という流れです。

一方、

スマホ。

SNS。

動画。

ゲーム。

漫画。

なら、すぐ楽しめることがあります。

すると、

レポートをやったほうがいい

と分かっていても、

その前に少しだけスマホを見よう

となることがあります。

スマホそのものを悪者にする必要はありません。

例えば、

課題をする10分だけ別の場所へ置く。

通知を減らす。

作業に必要な画面だけ開く。

といった方法があります。

「いいレポートを書きたい」が先延ばしにつながることもある

大学のレポートでは、

ちゃんと書かなければ

と思うことがあります。

評価される。

単位がかかっている。

先生に読まれる。

そのため、

最初から良い文章を書こう

として手が止まる場合があります。

そこで、

提出できる文章を書く

のではなく、

あとで直す下書きを作る

と考えてみましょう。

例えば、

最初は箇条書き。

次に文章へする。

最後に整える。

という順番です。

最初から完成度を求めず、修正できるものを作ります。

完璧主義との関係については、完璧主義だと先延ばししやすい?原因と対策を考えるも参考にしてください。

分からない課題ほど後回しになる

大学では、

何を求められているのか分かりにくい課題

もあります。

「○○について論じなさい」

と言われても、

何を書けばいいのか。

何文字必要なのか。

どこまで調べればいいのか。

分からないことがあります。

この状態で、

レポートを書く

と考えても始めにくくなります。

そこで最初の作業を、

課題文を読み直す

提出条件を確認する

分からないことを一つ書く

にします。

必要なら先生や周囲に確認することもできます。

「分からないまま書く」より、

何が分からないかを具体的にする

ところから始めましょう。

大学生の先延ばしと自己効力感

先延ばし研究では、

self-efficacy(自己効力感)

も重要な要素として扱われています。

簡単にいえば、

自分ならその作業をできそうだという感覚

です。

例えば、

「この問題なら解ける」

と思う場合と、

「全然分からない」

と思う場合では、始めやすさも違います。

難しい課題なら、

自信がつくまで待つ

必要はありません。

まず、

簡単な問題から解く。

資料を1本読む。

見出しを1つ作る。

というように、

できそうな部分

から始めます。

アルバイトや予定が多くて後回しになる

大学生は、授業だけで生活しているわけではありません。

アルバイト。

サークル。

就職活動。

友人との予定。

家事。

などが重なることがあります。

すると、

時間が空いたら課題をやろう

と思っていても、空いた時間がなかなか来ないことがあります。

そこで、

時間ができたら

ではなく、

いつやるか

を先に決めます。

例えば、

火曜日の20時から20分だけレポート。

水曜日の空きコマで問題集を10問。

という形です。

長時間確保できなくても、短時間を先に予定へ入れます。

やる気が出るまで待たない

「今日はやる気が出ない」。

そう思って先延ばしすることもあります。

しかし、明日になれば必ずやる気が出るとは限りません。

そこで、

やる気が出るか

ではなく、

10分ならできるか

を考えます。

例えば、

10分で問題を3問解く。

10分で文献を1本探す。

10分でレポートの見出しを作る。

とします。

始めてみて続けられそうなら続けます。

難しければ、そこで一度区切っても構いません。

先延ばしして徹夜する前に少しだけ進める

大学生活では、

締め切り前日に一気に終わらせる

こともあるかもしれません。

それで提出できた経験があると、

「今回もなんとかなる」

と思うことがあります。

しかし、

今回の課題は思ったより難しい。

資料が見つからない。

パソコンのトラブルが起きる。

体調が悪くなる。

といったこともあります。

そこで、

早く完成させる

のではなく、

早く一度触る

と考えてみましょう。

締め切りが遠いうちに10分だけ始めれば、

どのくらい難しいのか。

必要な資料は何か。

どこで止まりそうか。

を確認できます。

卒論は別の大きなタスクとして考える

大学生の先延ばしの中でも、卒論は特に大きなタスクです。

レポートとは違い、

テーマ設定。

先行研究。

研究方法。

調査。

分析。

執筆。

など、長期間にわたって複数の工程があります。

そのため、卒論を先延ばししている場合は、

卒論をやる

という一つのタスクにしないことが重要です。

卒論については、卒論を先延ばししてしまうのはなぜ?大学生が論文を進めるための対策で詳しく紹介しています。

先延ばししてしまった日を失敗にしない

今日は勉強する予定だったのに何もしなかった。

レポートを書く予定だったのにスマホを見て終わった。

そんな日もあります。

そこで、

もう遅いから明日からやろう

と考えると、その日の残りまで使わなくなることがあります。

例えば寝るまで30分あるなら、

10分だけ文献を探す。

明日することを決める。

教材を机に出しておく。

ということもできます。

一日を完全に取り戻す必要はありません。

気づいた時点から少し戻る

ことを考えてみましょう。

大学生が先延ばししたときの確認リスト

課題を先延ばししているなら、次のように確認してみましょう。

  1. 何を先延ばししている?
  2. 締め切りはいつ?
  3. どこまで終わっている?
  4. 何が始めにくい?
  5. 次にする一つは何?
  6. 10分でできるところまで小さくできる?
  7. スマホなど邪魔になるものを少し離せる?

例えば、

レポートを先延ばししている

何が始めにくい?

テーマが決まっていない。

次に何をする?

テーマ候補を3つ書く。

という形です。

「もっと頑張る」より、次の一つを具体的にします。

Pomolikaで大学の課題を小さく始める

Pomolikaはブラウザで使えるポモドーロタイマーです。

レポートや試験勉強を先延ばししているなら、

課題を終わらせる

ではなく、

次の10分で何をするか

を決めてみましょう。

例えば、

先延ばししている課題を一つ選ぶ

最初の行動を決める

Pomolikaを10分に設定する

その一つだけ進める

という流れです。

レポートなら、

10分で見出しを3つ作る。

試験勉強なら、

10分で問題を5問解く。

卒論なら、

10分で文献を1本探す。

一般的なポモドーロでは25分という時間が知られていますが、最初から25分にこだわる必要はありません。

まず、

これなら始められそう

と思える時間から使ってみましょう。

Pomolikaのタイマーを使う

まとめ

大学生の先延ばしは、心理学でも学業上の先延ばしとして研究されています。

大学生活では、

  • 自分で時間を管理する場面が多い
  • 締め切りまで長い課題がある
  • レポートなど曖昧な課題がある
  • スマホや動画など別の選択肢が多い
  • アルバイトや予定と両立する必要がある

など、先延ばしが起こりやすい状況があります。

そんなときは、

自分はだらしないから

と考えるだけではなく、

今回の課題はなぜ始めにくいのか

を確認してみましょう。

そして、

  • 課題を小さくする
  • 次の一つを決める
  • 遠い締め切りを今日の行動へ変える
  • 最初から完成度を求めない
  • スマホなどの誘惑を少し遠ざける
  • 10分だけ始める

といった方法を試します。

大学の課題は、一度に全部終わらせる必要はありません。

レポートなら一つの見出し。

試験勉強なら一問。

卒論なら一つの文献。

今できる小さな一つから進めてみましょう。