「先延ばしするのは、結局怠けているだけ?」
「やらなければいけないのに動かない自分は、怠惰なのでは?」
先延ばしを繰り返していると、
自分が怠けているからできない
と考えることがあります。
仕事を始めない。
勉強をしない。
掃除をしない。
返信をしない。
外から見れば、
やっていない
という結果は同じです。
しかし、先延ばしと怠惰は、必ずしも同じものとして考える必要はありません。
先延ばしでは、
やったほうがいいと思っている
やらなければいけないと分かっている
それでも、
なぜか行動を後へ延ばしてしまう
という状態があります。
この記事では、先延ばしと怠惰の違いを整理しながら、「自分は怠け者だから」と決めつける前に確認したいことを紹介します。
先延ばしと怠惰は同じ?
先延ばしと怠惰は、表面だけを見ると似ています。
どちらも、
やるべきことをやっていない
ように見えるからです。
例えば、
試験勉強をしていない。
仕事の資料を作っていない。
部屋を掃除していない。
という状態です。
しかし、先延ばしでは、
本当はやろうと思っているのに、実行を後へ延ばしている
ことがあります。
例えば、
「今日こそ勉強しよう」
と思う。
↓
でもスマホを見る。
↓
「明日からやろう」
と思う。
↓
翌日も始められない。
という状態です。
つまり、
やる意思そのものがない
とは限りません。
先延ばしとは「やりたい・やるべき」と行動がずれること
先延ばしで特徴的なのは、
自分の意図と実際の行動がずれること
です。
例えば、
「レポートは早めに書いたほうがいい」
と自分でも分かっています。
それなのに、
動画を見る。
別の簡単な作業をする。
掃除を始める。
そして夜になって、
また今日もできなかった
と後悔します。
もし本当に、
レポートを書く必要なんてない
と思っているなら、先延ばしとは少し違います。
先延ばしでは、
やるつもりなのにやらない
という矛盾が起こることがあります。
先延ばしそのものについては、先延ばしとは?やることを後回しにしてしまう意味・例・原因をわかりやすく解説でも詳しく紹介しています。
「怠惰」という言葉だけでは原因が分からない
「自分は怠けている」
と考えると、一見原因が分かったように感じます。
しかし、
なぜ始められないのか
はまだ分かっていません。
例えば、資料作成を先延ばししているとします。
理由は、
何を書けばいいか分からない。
失敗したくない。
量が多すぎる。
締め切りが遠い。
ほかの仕事のほうが簡単。
疲れている。
など、さまざまです。
これらをすべて、
怠けているから
とまとめてしまうと、必要な対策も分からなくなります。
「怠惰」という評価より、
何が開始を邪魔しているのか
を見るほうが具体的です。
先延ばし研究では複数の原因が考えられている
先延ばしは心理学でも研究されています。
研究では、
- 作業への嫌悪感
- 自己効力感
- 衝動性
- 自己コントロール
- 結果が得られるまでの時間
- 感情調整
など、さまざまな要素との関係が調べられています。
先延ばし研究のメタ分析でも、作業への嫌悪感、自己効力感、衝動性、自己コントロールなど複数の要因との関連が報告されています。
つまり、
先延ばしする人は怠惰だから
という一つの説明だけで研究されているわけではありません。
難しい仕事だから避ける。
失敗が怖いから始めない。
目の前の楽しさを選ぶ。
嫌な気持ちから一時的に離れる。
という複数の仕組みが考えられます。
詳しくは、なぜ先延ばししてしまう?心理学から考える原因とメカニズムも参考にしてください。
面倒だから先延ばしすることはある
もちろん、
単純に面倒だから
という先延ばしもあります。
例えば、
役所の手続き。
掃除。
書類整理。
返信。
予約。
などです。
「やればすぐ終わる」
と分かっている。
それでも、
今はやりたくない
と思います。
この場合でも、
「怠け者だから」
と自分全体の性格に広げる必要はありません。
単純に、
この作業を面倒に感じている
と考えれば十分です。
そして、
5分だけやる。
一工程だけ進める。
必要なものだけ準備する。
という対策へ変えられます。
「めんどくさい・やりたくない」と先延ばしについては、「めんどくさい・やりたくない」と先延ばしでも紹介しています。
難しいから先延ばしすることもある
例えば、
企画書を作る
という仕事があります。
何を書けばいい?
どんな構成にする?
どの資料が必要?
どこまで調べる?
と、考えることがたくさんあります。
すると、
面倒だからやらない
ように見えても、実際には、
何から始めればいいか分からない
ことが原因かもしれません。
この場合、
やる気を出すより、
最初の作業を決める
ほうが役立ちます。
例えば、
企画書を作る。
ではなく、
見出しを3つ考える。
まで小さくします。
「怠けている」と考えるだけでは、この対策にはたどり着きにくくなります。
不安や恐怖で先延ばしすることもある
仕事や勉強を始めると、
結果が出ます。
提出すれば評価される。
試験を受ければ点数が出る。
連絡すれば相手から反応が返ってくる。
そのため、
失敗したらどうしよう。
怒られたらどうしよう。
評価されなかったらどうしよう。
という不安から、開始を避ける場合があります。
外から見ると、
何もしていない
ので怠けているように見えるかもしれません。
しかし本人の中では、
怖くて始められない
という状態かもしれません。
その場合は、
「もっと真面目にやろう」
ではなく、
何を怖がっているのか
を具体的にすることが対策になります。
詳しくは、不安や恐怖で先延ばししてしまう?怖くて始められないときの対策も参考にしてください。
完璧にやろうとして先延ばしすることもある
先延ばしする人は、
適当にやっている
とは限りません。
むしろ、
ちゃんとやりたい。
失敗したくない。
良いものを作りたい。
という気持ちが強いことで始められない場合があります。
例えば、
「資料を作る」
ではなく、
「ちゃんとした資料を作らなければ」
と考えます。
すると、最初から完成度の高いものを求めるため、開始のハードルが上がります。
この場合も、
怠けているから始めない
とは限りません。
最初は下書き。
見出しだけ。
箇条書きだけ。
と完成度を下げて始める方法があります。
完璧主義との関係については、先延ばしと完璧主義も参考にしてください。
疲れていることを「怠け」と決めつけない
やる気が出ない。
動きたくない。
集中できない。
そんなとき、
自分が怠けている
と思うかもしれません。
しかし、
睡眠不足。
長時間の仕事。
休息不足。
などで疲れている可能性もあります。
例えば、
仕事から帰ったあと何もしたくない。
休日も動けない。
という状態で、
もっと頑張ればできる
だけで考えるのは適切とは限りません。
疲れているなら、
休む。
作業量を減らす。
別の時間帯にする。
という選択肢もあります。
疲れや無気力と先延ばしについては、疲れや無気力で先延ばししてしまうのはなぜ?でも紹介しています。
「先延ばしは怠惰ではない」は言い訳になる?
一方で、
先延ばしは怠惰ではない
という言葉を、
「だから何もしなくていい」
という意味にする必要もありません。
原因が、
不安。
完璧主義。
作業の大きさ。
疲れ。
スマホ。
何であったとしても、
やる必要があることなら、最終的には何らかの行動が必要です。
重要なのは、
自分を責めるか、何もしないか
の二択にしないことです。
「怠けているわけではない」
↓
だから放置する。
ではなく、
「怠けと決めつけても原因が分からない」
↓
では何が邪魔している?
↓
それに合った方法を試す。
という流れです。
先延ばしの短所は?
先延ばしには、困る点もあります。
例えば、
締め切り直前になる。
作業時間が足りなくなる。
焦って進める。
見直す時間がなくなる。
返信が遅れて気まずくなる。
やることがたまる。
後悔する。
といったことです。
また、
先延ばししていることを気にし続ける
ことで、作業していない時間まで落ち着かなくなることもあります。
先延ばしした瞬間は楽になっても、
あとで負担が大きくなる
場合があります。
そのため、
「先延ばしは怠惰ではない」
と理解することと、
困っている先延ばしを放置すること
は別です。
後回しが必要な場合もある
すべての先延ばしをなくす必要もありません。
例えば、
緊急の仕事が入った。
今日は体調が悪い。
必要な情報がまだない。
ほかの作業を先にしたほうが効率的。
という場合は、予定を後ろへ動かすことがあります。
これは、
合理的な後回し
と考えられます。
「今やらない」という結果だけを見て、
怠けている
と判断する必要はありません。
先延ばしと後回しの違いについては、先延ばし・後回し・先送り・延期の違いでも紹介しています。
「自分は怠惰だ」ではなく状況を書く
先延ばししたとき、
自分は怠け者だ
と考える代わりに、何が起きたのか具体的に書いてみましょう。
例えば、
「資料を先延ばしした」
↓
なぜ?
↓
何を書けばいいか分からなかった。
別の例なら、
「勉強しなかった」
↓
なぜ?
↓
スマホを見始めた。
「掃除しなかった」
↓
なぜ?
↓
部屋全体をやろうとして重かった。
このようにすると、
人格ではなく行動の問題
として考えやすくなります。
「怠け」という評価を具体的な原因へ変える
例えば、
| 自分への評価 | 具体的に言い換える |
|---|---|
| 怠けている | 作業が面倒に感じる |
| やる気がない | 今は開始する気分になれない |
| 意志が弱い | スマホへ注意が移っている |
| だらしない | 締め切りまでの計画がない |
| 何もできない | タスクが大きすぎて始められない |
| 逃げている | 失敗するのが不安 |
このように言い換えると、
次に何を変えればいいか
が見えやすくなります。
例えば、
スマホが原因なら離す。
タスクが大きいなら分ける。
不安なら何が怖いか整理する。
という対策ができます。
先延ばししている作業を一つだけ選ぶ
「自分は何でも先延ばしする」
と思うと、改善する対象も大きくなります。
そこで、
今一番困っている先延ばしを一つ
選びます。
例えば、
仕事の資料。
レポート。
返信。
掃除。
資格の勉強。
そして、
なぜこれを始めていない?
と考えます。
先延ばし全体を治すのではなく、
一つの行動の原因を確認する
ところから始めます。
タスクを小さくすると「怠け」と戦わなくていい
例えば、
「今日は勉強しないと」
と思っても動けないとします。
そこで、
自分の怠け心に勝つ
と考える必要はありません。
代わりに、
問題を3問解く
まで小さくします。
資料なら、
見出しを3つ書く。
掃除なら、
机の上だけ片付ける。
返信なら、
一件だけ開く。
大きなタスクへ挑むための意志を強くするのではなく、
必要な意志が小さくなるようにタスクを変える
方法です。
5分・10分だけ始める
先延ばししている作業が重いなら、
時間も小さくする
方法があります。
例えば、
10分だけ資料を作る。
10分だけ問題を解く。
5分だけ掃除する。
とします。
時間が来たら、一度終了して構いません。
始めて続けられそうなら、そのまま続けます。
先延ばししているときは、
最後までできるか
ではなく、
開始できるか
に注目してみましょう。
Pomolikaで「怠けているか」を考える前に10分始める
Pomolikaはブラウザで使えるポモドーロタイマーです。
「また先延ばししている。自分は怠けているのかも」
と思ったとき、
自分について考え続ける前に、
今のタスクを10分だけできる形にする
方法があります。
例えば、
先延ばししている作業を一つ選ぶ
↓
始められない理由を確認する
↓
最初の行動を決める
↓
Pomolikaを10分に設定する
↓
10分だけ始める
という流れです。
資料なら、
見出しを作る。
勉強なら、
問題を数問解く。
掃除なら、
机の上だけ片付ける。
Pomolikaを使えば、先延ばしの原因そのものがなくなるわけではありません。
できるのは、
「自分は怠けているのか」という大きな問題から、「今10分で何をするか」という具体的な問題へ変えること
です。
まとめ
先延ばしと怠惰は、表面上は似ています。
どちらも、
やるべきことをやっていない
ように見えるからです。
しかし、先延ばしでは、
やろうと思っているのに、行動を後へ延ばしてしまう
ことがあります。
その背景には、
- 面倒
- 作業が大きい
- 何から始めればいいか分からない
- 不安
- 完璧主義
- 締め切りまで時間がある
- スマホなどの誘惑
- 疲れ
など、さまざまな要因があります。
そのため、
「自分は怠け者だから」
だけで原因を終わらせないことが大切です。
一方で、
先延ばしは怠惰ではないから、何もしなくていい
という意味でもありません。
自分を責める代わりに、
何が始める邪魔になっている?
と確認します。
そして、
タスクを小さくする。
最初の一つを決める。
不安を具体的にする。
時間を5分・10分に区切る。
という対策へ変えます。
「怠けている自分を直す」と考えるより、
今止まっている一つをどうすれば始められるか。
そこから考えてみましょう。